私は昔からロック好きで、ある時期までは他のジャンルを毛嫌いしてたんだよね。特にヒップホップなんて、渋谷に座ってタバコ吸って騒いでいるイカれポンチ風の若者用の音楽よ!とか思ってたんですね(失礼!)。でもMTVでしょっちゅう流れてるのを見て、「ああ、聴きやすいヒップホップもあるんだなぁ」なんて見方が変わってきてね。しかも白人だし、「ええ??」って思ったりして。エミネムはヒップホップに対する私の偏見を取ってくれたアーティストの一人だったな。
なので、ヒップホップが嫌い!とか、名前だけ知ってるけど詳しく知らないわ、っていう人がいたら、ぜひ聞いてみてほしいっす。エミネムはヒップホップに馴染みがない人が感じる「全部同じ曲に聞こえる〜」っていうのがあまりないと思うんだよね。
エミネムがデビューアルバム『The Slim Shady LP』を最初の2週間で48万枚ものセールスを叩き出したのは1999年のことで「My Name Is」っていう大ヒット曲を出して、スター街道まっしぐら。んで、アルバムタイトルになってる「slim shady」っていうのはエミネムのもうひとつの人格(人格っていうか、キャラクターというか)なんですね。知ってた?? slim shadyが繰り広げるラップは大変に過激で、付き合ってる彼女を殺して湖に捨てたり、いろんなドラッグをかっくらったり、暴力を振るったりする非常に過激なキャラなのです。だから一見楽しそうなメロディーの曲も歌詞を読むと「ギョ!」っとするので注意しましょう。
最新のアルバムにあたる、サードアルバム『The Eminem Show』には「Without Me」という超人気曲が収録されてます。エミネムっぽい独特のリズムが超かっこいいっす。私の携帯の着メロです。あなたの着メロにもいかが? このアルバムってさ、若くてかっこいい男の子の車に乗るとBGMに流れてる率が高いのよねぇ、マジで。つい先日も「うわ! またエミネムかい!」と思って、「エミネム好きなの?」と聞いてみたところ、「俺の友達もみんな好きだよ〜! 超イケてねぇ!?」とかなんとか言っていたので、私は心の中で「イケメン率高ぇな〜」と思ったのでした。
余計なお世話だが、若者イケメン達はエミネムを聞きながら女を口説いたり、車の中でチューしたりすんだろうか? あんまり若者じゃない私は、口説かれるなら、エルトン・ジョンとかボズ・スキャッグスなんかのバラードがいいけどなぁ。ま、でもそれもある意味キモいか(かなりキモいかも)。みんなも聞かないと「おばさん、ダセぇよ!」と思われちゃうよ。個人的にはセカンドアルバム(『The Marshall Mathers LP』)のほうが初心者の方にはお勧めです。
グラミー賞も受賞して、半自伝的映画『8Mile』では主演までしちゃって、ノリノリですね、エミネムさん。サントラもすっごい売れてるんでしょ!? 私、映画館って実は『プリティ・ウーマン』以来行ってない(!)んだけど、何人か『8Mile』を観に行った人に話を聞いてみたところ、終演後はラッパーになりきった若者がロビーに溢れているらしく、喧嘩を売ってきたりする「気分だけはラッパー」少年などが見物できるらしい(笑える…)。私の母親まで観に行ったらしいのだが「おばさんはあたしだけだったわ」と辛そうだったのがウケました。