●2001.10月● 後輩に地位を脅かされる
部下に仕事のコツを教えると、教えた僕よりもできるようになって、逆に僕の地位が脅かされる。わが社ではできる奴が増えると自分が左遷させられる可能性が高いので、あまり教えるべきではないのではないか。
(49歳 輸送機器 男)
 

●今井雅之のアドバイス●
何、この相談? 論外! 自分の地位を脅かされると思うんなら、部下に教えなければいいじゃん? 俺にはそれしか言えない。会社員を俺ら芸能人と比べるのは無理かもしれへんけど、俺らは毎日が左遷やリストラの危機にさらされてるようなもの。もちろんそんなハラハラする気持ちを捨てて安定した生活を送りたいと思う。でも、そう願えば願うほど、最終的には自分の俳優としてのウデしか頼れるものはないもんね。

で、俺だったら教えるね。なぜなら、演技力に自信があるから。それで自分の地位が揺るがされるとは思ってない。自分の才能や技術を信じて、どんなに後輩に自分の技を教えても“俺は俺”と思えるようじゃないとやってられへんよ。「今井さんは強いですね」ってよく言われるけど、あなたと同じような環境でも努力してるし、ほかの商売に移ろうとしないのは自信があるから。自信がないなら、とっくに俳優の道を諦めて実家に帰ってほかの職業の修行をしてるやろ。正直言って、明日の仕事すら保証されない俺らの職業の場合は、あなたのような考えをもってたら、それだけでホントにリストラされちゃうよ。

リストラの対象にされる年齢だというのはわかる。そりゃ若い奴と自分の能力が同じだったら、“高い給料を取る自分が切られる”と危機感を抱くでしょう。まして自分が教え込んだ若い奴が会社に残って自分がクビになるなんて悔しい。でもねぇ…。

結論! やっぱり、あなたは「あまり教えるべきではないのではないか」と書いてくるくらい自信がないんですから、教えなきゃいい。で、単なる先輩・後輩のお付き合いに徹すればいいじゃない? それにしても、49歳にもなってこんなこと言ってるようじゃ、出世しないよ。 失業率が5パーセントの時代。みんな何でもかんでも国のせいにしてるよね。しょうがないけど、頑張っていかんとあかん。戦後のことを考えてみてくださいよ。文句も言わずに失業どころか何もないところから始めて、みんな生き抜いてきたんですよ。