街はクリスマスのデコレーション。1年のうちいちばん賑やかでウキウキするこの季節に、昇進の悩みを抱えて鬱々としている人がいてるとは……。発表後の心境はどないですか?
思い切って言うと、スタート時の志が低いんちゃうかな。僕の論理では、「人並みにやってきたつもり」……ここでもうダメ。上を目指す人にそもそもそんな発想はないと思うよ。「確かに際立った成績はなかったが」も甘いなぁ。「ほかの人の30倍もの努力を重ねて際立った成績をおさめてきました。なのに……」という悩みなら、査定をする上司の方に問題がありそうやけど。とにかくね、もっと必死になれ! と言いたい。「今井は精神的に強いから厳しいことが言えるんだ」と反発の意見が出るかもしれないけど、実際のところ、芸能界にいる僕なんか毎日がリストラ状態ですからね。こう見えて、危機感を抱いているという点ではあなたと同じですよ。
そんな僕に言えるのは、130人の同期の85%に入るか入れないか……こんな程度で悩んでることこそ情けない、ということ。初めから“同期のトップに立って社長になってやる!”くらいのデカい気持ちでいないと。現に、85%が人並み以上の努力をしていたから、あなたはすでに取り残されているんでしょ? 例えば演劇のオーディション。130人が受けるとしましょう。“どうせ主役は無理だからその他大勢でもいい”……それが85%だと思う。“その他大勢でもいいや”と自信がないなら、最初からやめれば? 僕の場合、オーディションに臨む時には毎回“主役を狙うんだ”と、大きな気持ちだったよ。それくらいの意気込みがないと、とても今より上は望めません。企業に勤める会社員だって「私、人並みに働いてます」なんて甘えたこと言ったら「帰れ!」と言われるよ。人並み程度で生き残っていけるはずがない。社会主義国じゃないんだからさ。
もうひとつ、上司との関係について。前課長とうまくいかないのは、これはもうしかたがないと思うよ。偉そうにアドバイスしてる僕だって、100%うまくいってるのかといえば、正直いって“NO!”です。これに関しては、僕は諦めてるんです。ただし、その裏には自信があるからね。ソリが合わない人との円滑な関係を諦めても、かたや合う人との人脈をどんどん広げていく努力はしてますから。会社員のあなたの場合なら上司はずっと同じ部署にいることはないから、異動の時までの我慢。顔を見るのもイヤなら転職を考えるのも方法でしょう。ここで言えることは、人づきあいも仕事のうち、たとえ苦手でも重要な問題だということですね。
最後に基本的なことを言えば、あなたは銀行の仕事そのものに満足してないんとちゃう? 仕事の内容を気に入ってたら、「人並みの努力」なんて言葉は絶対に出てきませんよ。もしも“一般によしとされる銀行に籍を置いていれば安泰”という考えがどこかにあるんだとしたら、改めんとあかん。そして「俺の手で不良債券を全部なくしてやるんだ!」という意気込みがほしいよね。どうか心機一転、活躍の新しい年を! 来年もこのコーナーをよろしくっ!!