一気に春めいて、いつも以上に意欲的に仕事の計画を練っている今日この頃。会社員のみんなも年度末を意識して心機一転の季節。今月の相談にはそんな季節が少なからず影響しているように思われますね。
さて、と。あなたはいったいどんな職業なんですか? “25歳でリーダー的立場”とか“つられて辞めようとして”るということは、需要が多くて社員の出入りも激しいファーストフード店とかファミレスとか飲食関係のサービス業? 主任や係長の役職を与えられてるリーダーなら、ある程度の統率力さえあれば権限で部下を仕切ることはできるよね。でも、あなたの場合はどうもそうじゃなさそう。同じような立場の社員の中で社歴がいくらか長いとかの理由で、いつのまにか今の立場になっちゃったようで。
もしそうなら、そりゃ大きな変革はできないよ。もちろん辞めていく人を止めることもできない。僕も昔、アルバイトさんが多いカフェバーで7年間バイトをしたことがあるの。そこは次々に店長が変わっていく店だったんです。せっかく前の店長と一緒につくりあげた職場の雰囲気も、店長が変わることによってガラッと変わるから、下で働いているアルバイターたちもそれを理由にわりと簡単に辞めていってた。一方、新しく来た店長もその方がやりやすいの。だって、前の店長の息がかかった人がいなければ思いどおりにできるからね。僕は店長交替でアルバイトさんたちの士気がそがれたときに、リーダーとなってみんなを集め改善に向けてミーティングをしたことがあるんです。でね、意見をまとめて代表して店長に進言したんだけど、店長は「じゃ、辞めれば?」の一言。ね? そういうことなんだよ。
それから、『THE WINDS OF GOD』の舞台は外部の役者さんたちと一緒につくってきたけれど、彼らは会社や店でいえば期間限定のアルバイトさんだよね。僕は座長、つまり部長や店長のようなリーダー的立場だったけど、本当の意味でのリーダーではないから、次回の公演でもその役者さんを必ず起用するかといえば……わからない。なぜなら、僕も彼らと同じ立場の一匹狼だから。ステージに立つチャンスは与えるけど、そこから先は自己責任。その人がどうやってメシを食っていくかは僕の問題じゃないでしょ。最初は「今井さんについていく!」と言ってた人たちも、軌道に乗ってくると『WINDS』で食っていく保証を欲しがり始める。その時に「よし、わかった! おまえたち全員を生活が安定したスターにしてやる」と約束はできないよ。
つまり、本当のリーダーには統率力とカリスマ性と、みんなの将来を本気で面倒みる覚悟を求められるんだよね。“将来的に食わしていけるのか”“リストラされかけた部下を財産を投げうってでも守るか”、そこまで考えていれば人はついてきますよ。というわけで、切り抜ける方法が大切なのではなく、みんなのために、ひいては会社のためにどこまで命を賭けられるか、だと思うよ。それを心の中で覚悟・決意するだけで、まわりはあなたにカリスマ性を見出だして信頼し、自然に転職活動をやめるかもしれないし。
結論! まずは社内での自分の立場をはっきり認識して、会社をどう考えるかを明確にせよ。そして、雰囲気をよくするためにみんなを取りまとめようとするよりも、「一緒にやっていこう!」という方向へエネルギーを費やすべきでしょう。辞めようとする人をむりやり引き止めても必ず摩擦が生じるから、くれぐれも気をつけて。
今後の展開についても聞かせてくれよな。そうそう、これまでの相談者諸君も、その後の報告を聞かせてくれィ!! |
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