真夏のような天候が続いています。みなさん、お元気ですか? 僕は11月の公演『ゆく年くる年』のオーディションを終え、来年の正月映画『T.R.Y.』の撮影で上海に2週間行ってきました。織田裕二さんや渡辺謙さんたちとコメディタッチの大作に挑みますから、乞うご期待!
さてと。今月の相談に戻りましょう。無事に赤ちゃんは生まれたか? 失業に関するお悩みはいろいろと届いていますが、人生にかかわる問題やから僕みたいなもんがお便りの文面だけをベースにしてとやかく言えるようなものではありません。ましてや子供のいない僕にはあなたのような悩みは実にヘビー。無責任なことは言われへんもん。
しかし同じ男としてダンナさんの気持ちになると、どんな制約があるとしてもアセることなくじっくりと考えたうえで、今度こそは一生の仕事に就きたい。あるいは、すぐにではなくても、5年後ぐらいには生きがいのもてる仕事に就いていたい。それまでの助走というか、修行期間を設けられればベストなんやけど……。家族をもつとそうはいかん。でもね、子供たちの教育費がまとまって出ていくのはもうチョイ先の話。“これは!”というような仕事に巡り合えるまで、しばらくは最低限の生活費で試行錯誤を許してあげられないものでしょうか。
ダンナが苦境に立っているときこそ、妻の態度がモノを言います。「今井さん、どうかアドバイスを」ではなく、弱っているダンナさんにあなたからアドバイスしてあげてくださいよ。「ミルク代以外はかなり切り詰めるけど、家計は私にまかせて。明日より今日! 1日でも若いうちに生きがいになる仕事を見つけて」とかね。
今やから言えるけど、実は俺、『THE WINDS OF GOD』のあるニューヨーク公演で、アメリカのマスコミにケチョンケチョンに叩かれたんです。でも、座長の俺が落ち込んでたら座員の士気をそいでしまう。平気な顔をしながらも、ほんとのところはごっつ孤独やった。そんな時にひとりのアメリカ人の観客がものすごく褒めてくれはったんです。「私はこの作品を気に入った。頑張って続けてください」と。たったひとりのその褒め言葉を頼りに俺は切り抜けたんです。
今のあなたは、あの時の俺にとってのアメリカ人ファン。たとえひとりでも、揺るぐことのない気持ちでとことん応援してあげることがなによりも大切だと思いますよ。
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