●2002.11月● 苦労人ゆえの孤立
営業の仕事をしています。休みを削ったりポケットマネーを活用したりして顧客に根回しをするなど努力(?)を重ねてきたおかげもあって、自分で言うのもなんですが、成績は悪くはありません。悩みは、私について陰口を叩く人間が多くいること。中には、「同僚の見込み客を盗んで自分の実績にした」などと嘘を吹聴する上司や、「担当を替えてほしいと言ってきている客がいる」と信用できそうもないことを言う者までいて、正直いって疲れています。私には過去に2回の転職経験があり、月8万円のアルバイトで妻と子供を食べさせていた時期もあります。29歳で今の職に就くまで、ハッキリ言って甲斐性なしだったと思います。その恥ずかしさをバネに頑張って今の成績を築いてきたのですが、どうやら新卒で就職して今まで安泰にきた人たちにとって私の努力のしかたはうっとうしいようです。見えない圧力でもうすぐ追い出されるのかもなぁ……と考える毎日。こういうことはどこの会社でも同じなのでしょうか。
(32才 その他サービス業 男)

●今井雅之のアドバイス●

はい、同じだと思います。だから、気にしないこと。実力でやっていけばいいじゃん、どんなに陰口を叩かれても。出る杭は打たれるもの。なんだかんだ言っても出世した者勝ちなんだよ。

僕も無名時代が長かったぶん、境遇の似た仲間はいっぱいいました。で、僕がやっとのことで芸能界でメシを食っていくメドが立った頃、僕に対するバッシングのパワーたるやものすごく大きく激しかった。芸能界で頭角を現わすというのはサラリーマン同様、そう簡単なことじゃないから。羨ましさの裏返しでトゲのある言葉が出るんやろね。根底にあったのは妬みに違いありません。

でもね、世の中、すべて結果論。あなたのような会社員の場合は、たとえ同僚の見込み客を奪ったとしても、要は営業成績のいい人が"できる奴"なんですよ。そして、できる奴はどんなに正当な方法で成績を上げたって、陰でいろんな立場からさまざまな悪口を言われるものです。"世に出る時"はあることないこと絶対に言われる。本人の耳にも入ります。聞き捨てならないけれど、それはもうしかたのないこと。信用すればするほど、逆に人を嫌いになっていってしまうから、「あ、また言われてるわ」と聞き流すのがいい。"こいつだけは温かく接してくれる""あいつが妬むわけがない"と信じてしまうと、あとで裏切られた気分になっちゃう。親友でも嫉妬の言葉は言うからね。兄弟でも言うと覚悟していた方がいいかもしれないよ。相手に期待しなければ、言われてもショックは小さくてすむ。孤独だし、悔しいけど、しゃーないよねぇ。

僕にはこの手の経験、なんぼでもありますよ。例えば僕のことを無名の頃から知ってる人の中には「今井さん、変わりましたね」って言う人もいる。相手の態度が変わっただけで、僕は少しも変わってないのにね。それまでは僕の意見なんか聞く耳をもたなかったのが、僕が少し名前が売れた最近になって急に本気で聞くようになっただけなんですよ。

会社という組織の中にいると、そういう人たちと付き合わないわけにいかないから辛いよね。でも、できるだけあなたと同じ勝ち組の人たちと付き合っていけばいい。もう同期とか同僚とかはいらないでしょ?

それにしても……上司までがあなたを追い出すほどの理解度の低さなんやろか。本当に才能があったら離さないと思うけどね。同僚からの妬み嫉みは上司の耳にも届いてるとしても、営業成績が数字で現われれば認めないわけにいかないのでは? 会社はクビにはしないでしょう。

こういう人間関係のカベにぶつかるたびに"人間ってそれほど純粋で素晴らしい生き物じゃない"とつくづくさびしく思うね。……素晴らしいんやけどね、ホンマはね。