●2004.8月● NYの外国人
 
8月6日(金)

毎日夜の22時から1時間だけフジテレビの番組が見れる。日本の番組専用のチャンネルを契約していない私が見れる唯一の日本のチャンネルだ。前半はスポーツ番組やニュースが手短に流れ、後半30分はバラエティ番組。この貴重な30分の中で放送される番組が結構どうでもいい番組だったりするから意味不明だ。。この中でフジテレビNY支局からの5分情報番組があって、私が好きな福原アナウンサーがNYの各地のレジャースポットを紹介する。この前その中で、ブルックリンブリッジのたもとで観る野外映画のイヴェントを紹介していた。大きなスクリーンで名画を観ながら、その奥にはブルックリンブリッジとManhattanの豪華な夜景が見れて、しかもタダらしい。クラスメート数人と観にいくことに。韓国人2人と日本人2人とスペイン人で出かけた。まずブルックリンの有名なアイスクリーム屋さんへ。その後これまた有名でいつも行列ができているPIZZA屋でテイクアウトの注文をしていざ、映画会場へ。そしたらなんとガーーン、延期だって。がっかり。しょうがないから近くの川辺で日の入りを見ながらピザを食べた。イーストリバー沿いの岩場でちょっとした公園になっていてManhattanの夜景を見るには最高のスポットだ。いい場所を発見したぞ。フジテレビの福原アナはNY赴任が終了しこの度帰国されるようで、なんだか寂しい。クラスメートが彼のお別れPartyに知り合いの紹介で参加して、福原アナを紹介されたと言っていた。いいな〜〜〜(ミーハー)。

 
 
8月13日(金)

学校の授業の遠足でアメリカ自然史博物館へ。あいにくの雨の中、アッパーウエストサイドまで向かう。館内はかなりの広さ。まず先生おすすめの宇宙の誕生のコーナーへ。原子や星やさまざまな天体の物質が模型とともに説明されていて、大きさが比較できるように人間の脳などのサイズの模型などが展示されている。その比較の表し方が日本とは違い独特なので、逆に想像しにくかった。そしてこの博物館の目玉、恐竜の実物骨の展示会場へ。ジュラシックパークの世界そのもの。実際のものは迫力が違うなあ。こんな巨大な生物が同じ地球上にいたのかと思うと不思議だ。生物はどんどん小さくなっていくものなのだろうか。あと何万年後かしたら人間の末裔ももっとミニサイズになっているのかな。ETみたいに。。。

その後興味のあった「アフリカの人々」のコーナーへ。アフリカ大陸各地の自然の姿が模型で展示されていて、ケニアへ行ったときの記憶がよみがえった。ケニアといえば、私の所属していた学生会議が今年度の会議を日本で開催し、数人のケニア人学生が日本に渡航したとのこと。この朗報を聞いて私は感激。ケニア学生が日本に来ることは本当に大変なことなので、日本、ケニア両国の学生がどれだけ努力をしたかがわかる。日本のケニア大使館での開会セレモニーでは、ケニア大使が目に涙を浮かべてケニア人学生のスピーチを聞いていたとのこと。あ〜、私もその歴史的な現場にいたかったな。OGとしてとても嬉しい。

そいえば最近ナイジェリアのケニア国大使に着任されたばかりのKさんからメイルをいただいた。日本大使館での勤務後ロンドン大使館での仕事終え、今回ナイジェリアに到着したばかりで、適応するのに日々忙しいとのこと。Kさんの着任で初めてナイジェリアがどこにあるのか知った。ナイジェリアは最近、ポリオ病が再発した地域として新聞で取りざたされていて、授業でもとりあげられた。たった一地域の政府の愚策によりポリオ予防接種を行わなかったため、絶滅しかけていたポリオが再発したとのこと。それにしてもアメリカ人はアフリカのことについて、日本人やヨーロッパ人以上に何も知らないことがわかった。「ブルキナ・ファソ」という西アフリカの国にいたっては語学学校の先生でさえ、その国の存在も知らなかった

 
 
8月15日(日)

日本人のヘアスタイリストさんに髪の毛を切ってもらいにAstoriaへ。私の友達も結構このエリアに住んでいる人が多くて、いい環境だよと聞いていたので今回楽しみにしていた。ギリシャ人街として有名なこのエリアには、目抜き通りにたくさんのギリシャ系の店はCafeが並ぶ。せっかくだからギリシャ風Cafeに入ってみた。ギリシャの味を体験してみようと思って、ほうれん草のパイを注文した。サイズが大きくてかなりこってりしていて全部食べられなかった。街並みは私が以前住んでいたブルックリンをちょっとこぎれいにした感じかな、といった印象。

今回髪を切ってもらうのは、マユさんという関西出身の美人美容師さん。こちらのフリーペーパーの表紙のヘアメイクなども担当しているらしく、若いけど才能のある方のようだ。Astoriaの自分の住んでいるApartmentで仕事をしている。お邪魔したおうちはとても綺麗。数ヶ月切っていないぼさぼさの髪にあきあきして、先日自分でちょっと切ってしまったら大変なことになってしまったので、それを直してもらいながら切りそろえてもらう。そのあとばらばらだった髪の色もきれいに整えてもらって大満足。そして何より安い! 以前ダウンタウンの美容室へ行って日本人の美容師さんに切ってもらったけど、ものすごい値段で驚いたからだ。もともとの値段も高いうえにそれプラス、チップを払う必要があるので痛い。マユさんは非常に良心的で、友達の紹介の人には安い価格でカットしているらしい。彼女曰く、日本人は白人に比べて肌の手入れをきちんとしているので、肌のきめが細かくて化粧がしやすいらしい。シワやタルミも断然少ないそうだ。顔のエステのサービスも安く提供しているのでいつかトライしてみて、と勧められた。彼女自身がつるつるの肌をしていて綺麗なので、とても説得力があるわ。彼女は本当に美容師という仕事が好きなようだった。NYに来た目的は「Showのヘアメイクをしたいという夢を叶えるため」とのこと。彼女なら叶うに違いない。私もそのときを楽しみにしていようっと。

 
 
8月21日(日)

今日バイト先でトイレチェックをしようと思い、トイレの扉を開けたら、なんか異臭がして嫌な予感がしたのでバイト仲間に来てもらい「このニオイはなんだと思う?」と聞いたら「マリファナ」らしい。そいえば前に吉本興業のホンコン似のオーナーが「トイレで麻薬をやる人がたまにいるんだ」という話をしていたっけ。私は生まれて初めてマリファナのニオイをかいだ。臭かった。タバコよりずっとくさいニオイ。トイレの換気扇もつけない状態で締め切っていたドアを開けてしまったので、私は少量の煙を吸い込んでしまった。次第に肺の中が気持ち悪くなってきた。数時間後、バイト仲間がからかって「ナツコ、なんか元気になってきてない? マリファナが効いているんじゃないの?」なんて言われた。確かに今日はあまり元気がない状態でバイトに来たはずなのに、今は結構元気かも…なんてその気になったりして。さらに仲間から「しばらく経つとおなかがすいてくると思うよ」と言われた。ふ〜ん、そういうものなのかあ。

そして今日はもうひとつ信じられないことが起きた。大学時代の英語の先生がレストランに食べにきたのだ。もう10年以上前の、しかも週に1回金曜日のみの授業を担当していた白人の先生で声が特徴的だったので、もしかしたら。。。と思って声をかけてみたらやっぱりそうだった。9年前に日本からNYに戻ってきて、今はNY大学で教えているらしい。当時とても若く見えた先生が少し年とっていた。あれから10年だもんなあ。月日は流れたのだねぇ。まさかこんなところで会うなんて。

 
 
8月24日(火)

バイト仲間のコリアン・アメリカンの女の子が突然「ナツコって目の整形したことあるでしょ?」って聞いてきた。もちろん、整形なんて生まれてこのかたしたこともないし、しようと思ったこともないので、かなり驚いてうろたえてしまった。別の同僚の日本人の男の子にその話をしたら、韓国では別に特別なことじゃないんだそうだ。親が娘の成人のお祝いに整形手術をプレゼントすることもしばしばらしい。何を隠そう彼の元彼女のコリアンの女の子も鼻を整形していたとか。はぁ〜驚いた。そういうことなら私への質問も彼女にとってはどってことないものだったのかもしれないね。韓国では最近、新卒の就職難のうえに企業の多くが外見重視で新人を採用するらしく、いい就職先を見つけるために女性ばかりでなく男性の間でも整形手術がさかんに行われるようになったとか。これだけ普及した一番の要因は、やはり低価格でできるようになったことがあるようだ。日本ではどうなんだろう。私の知らないうちに整形する人の数は増えているのだろうか。。。

チベット人でネパール出身のゾルジンが明日バイトを休むという。どうして?と聞いたらNYに住むチベット人で組織する会合に出席するためらしい。もちまわりで会計やマネージメントなどを担当して、集めたお金をネパールに住むチベット人の仲間に送金しているそう。はぁ、いい話だ。彼女はチベット人だけど一度も祖国に足を踏み入れたことがない。首都Lhasaの美しい景色も、観光客が撮ってきた写真で見たことがあるだけだという。でもとても美しいところだと誇らしげに話す。彼女が行けないチベットには毎年たくさんの観光客が訪れるのも、とても皮肉な話だ。彼女自身が難民としてアメリカに来て、やっとの思いでグリーンカードを取得し生活しているのに、そんな彼女達が同じ祖国を持つ人を援助しているなんて。本当にすごい。このレストランの韓国人のオーナーも若い頃、身ひとつで渡米してスーパーのレジの店員から始めて、今ではNYで4つのレストランを経営するお金持ちになり、韓国に住む7人の親兄弟を援助し続けているそうだ。こういう話を聞くと本当にすごいなと思う。NYには本当に頭にくる信じられない人もたくさんいるけど、それと同時に信じられないくらい温かい人たちもたくさんいるのだ。

 

(9月へ続く)