●2004.9月● 共和党大会&国連総会で大混雑
 
9月3日(金)

今週1週間は共和党の全国大会がNYのマジソンスクエアガーデンで開かれていたおかげで、街中大混乱でした。電車やバスのダイヤは乱れるし、道も封鎖されたり、Manhattanからブルックリンやクィーンズへつながる橋も検問があったり。セントラルパークで大規模な反ブッシュデモが行われる予定だったけど市から禁止されてしまって、その何十万人の人々が代わりにマジソンスクエアガーデンのまわりを行進することになったとかで、しかもその人たちは公共の交通機関を使ってはいけないということになっているらしく、歩いて移動するらしいという情報を聞き、想像しただけでも恐ろしかったので、なるべくそのエリアには近づかないようにしていた。どうしてわざわざ大都会の真ん中で市民の生活を邪魔してまでやらなきゃいけないのだろうかと最初は思ったが、良く考えたら全国大会だからアメリカ全土から党員が集まるわけで、みんな地方から出てくるのだよね。それが証拠に党大会前夜には、みんなこぞってブロードウェイのミュージカルを鑑賞したらしい。

街中にはいつもの何倍ものポリスがうろうろしていて簡易手錠を持っている。ちょっとでも疑わしい行為をした人はかたっぱしから逮捕されているらしく、この1週間で2000人が逮捕されたらしい。ルームメイトの友人のお兄さんという人もデモをしていて逮捕されてしまったらしく、翌日、保釈金を払って釈放されたとのこと。2000人が保釈金を払ったら市は相当な臨時収入だろうなあとか考えてしまった。当の共和党大会ではブッシュが指名されたらしく、その会場の外では反ブッシュのデモがすごかったということだけど、ほんと最近NYでは「反ブッシュ」がはやっている。みんな口をそろえて「ブッシュには投票しない」と言っている。でもその人たちも、対抗馬のケリー氏についての情報はまだあまり知らないようだ。ちょっと前のセンサスではわずかにブッシュ氏支持が上回っている。この前クラスで先生が「ブッシュが今回の選挙で落選したら、彼は何を仕事にしたらしいいと思う?」と質問したので私は「コメディアン」と答え、クラスメートは「畑でポテトを育てる」と答えていた

 
 
9月4日(土)

今日バイト中にカバンの中のものをとりにいったら、見覚えのない小さな包みが私のカバンに入れられていた。しばらく眺めていたらバイト仲間でコリアンアメリカンのJが来て「何してるの?どしたのそれ?」って聞くから「私のカバンに入ってたんだけど私のじゃないの」って言ったら「あっ、それ僕の。しかも中身はマリファナなんだ。てっきり僕のカバンにいれたつもりが間違えたみたいだ」なんて言うからびっくり。この前、トイレでマリファナの臭いをうかつにもかいでしまったのに引き続き、今度はゲンブツが私のカバンに! ふぅ〜びっくりした。。。と思ったのも束の間、「ん?ところで何でJがマリファナ持っているわけ?!」って聞いたら「友達に頼まれて買った。自分で吸うんじゃないよ。みんなには内緒にしといて!!」と焦って言うから、怪しんだら、「昔の友達がマリファナ吸ってみたいというので自分が代わりに買ったんだ」とのこと。「どうしてその人は自分で買わないわけ?」「どうやって買ったの?」とか私も興味本位で矢継ぎ早に質問しちゃった。彼もうっかり私にみつかってしまった手前、言い訳しいしい詳しく説明してくれた。

彼曰く、電話で注文してデリバリしてくれるらしい。でもその電話番号は人づてに伝わっているもので簡単に広めることはできないので、今回初めて友達がやってみたいというので番号を教えることはできないから自分が代わりにに買ってあげた、ということらしい。彼は学生の頃は結構やっていたがもうやめて、今は(自称)やっていないとのこと。マリファナ以外にもいろんな麻薬を、NYUあたりの薬学系の学生は作り方を知っているので、自分たちで作って横流ししていたりするとのこと。NYUの本拠地に近いワシントンスクエアの公園では、夜な夜な麻薬の密売が行われていると聞いたことがあるけど、そういう理由もあったりするのかな? は〜、それにしてもここのところマリファナと妙に縁がある私でした。

 
 
9月9日(木)

アリゾナに住む友人KがNYに遊びに来た。マジソンスクエアガーデン前で1年半ぶりの再会。まず腹ごしらえにコリアンタウンに行ったあと、ミュージカルのチケットを買いにブロードウェイへ。『42nd Street』のチケットをゲットしたあと、いざManhattan観光へ! 観光用の2階建てバスに乗ろうとしたら結構いい値段がしたので、あっさりあきらめて2ドルのローカルバスで街を南下することに。7番街通称ファッションストリートを下ってグリニッチヴィレッジを過ぎ、トライベッカを過ぎ、グラウンドゼロ通り過ぎたころ、海が見えてきた。終点のバッテリーパークで下車して自由の女神を拝みに行く。とてもいい天気で芝生でねっころがっている人もいた。

その後、彼女の希望でフルトンフィッシュマーケットへ。仕事で魚を扱っている彼女は、どうしてもここに行きたかったらしい。途中、Wall街を歩いた。初めてこの通りを歩いたけど、どうして金融エリアなのにWall街というかわかった気がした。細いその通りの両脇に連なるビルがまるで壁のように高いのだ。壁に挟まれて歩いているような気がしてくる。だから「Wall=壁」なんだね、きっと。と2人で結論を出した

Wall街を過ぎるとイーストリバーが見えてきて、そこはサウスストリートシーポートエリア。テーマパークみたいに街がかわいらしくデコレートされていて楽しい。前から行きたかった、ハートランドBeerのブリュワリーでアプリコットフレーバーのビールをひっかけ(とてもおいしかった)、いざ、フィッシュマーケットへ。と思ったら市場なのでこの時間は閉まっていて暗い。そして近づくにつれて魚の生臭いのがきつくなってきた。友人Kは満足げ?!に暗い市場を写真に収めていた。ブルックリンブリッジや向こう岸のブルックリンが見えてなかなかいい眺め。ここからマンハッタン中に魚が運ばれていくのだね。思いがけず面白いところに来れてよかったわ。

その後てくてく歩いて、改築中の最高裁や地方裁判所を通過してチャイナタウンへ。お気に入りのヴェトナム料理屋で夕食。外の風が気持ちよかったので窓際に座った。お腹いっぱい食べたあと、リトルイタリーやノリータを通過して地下鉄に乗ってブロードウェイへ。そしていよいよミュージカル『42nd Street』を観劇。前から何人かに薦められていたShowだけにすごい迫力。開幕直後から数十人のタップダンスの嵐。衣装もきらびやかだし、みんな1930年代の髪型をしていてそれがとてもチャーミングだった。ミュージカルが終わるころにはすっかりManhattanを満喫した私たちはかなりお疲れモード。もう少し若かったたら、これから夜の街へ繰り出そう!って感じになるのだろうけど、2人はまっすぐ家に帰ることであっさり合意。家路につきました。

私のルームメイトと友人Kはともに英語教師ということもあってすぐ意気投合。私たち3人は似てるところがあるよね、という話に。私たちが寝つこうかと思っているときにルームメイトが息子さんと電話でなにやらもめていた。さすがKちゃん、何を話しているのか会話を聞いて即座に理解していたらしい。彼女の息子さんとそのガールフレンドが、これから夏休みでフロリダに彼女の車を借りて行こうとしているらしい。フロリダといえば今、次から次へハリケーンが襲ってきていて警戒態勢が続いているところだ。そんなところにわざわざ行くのを承諾するわけにはいかない、しかも彼女の車を借りて行くなんて。ということらしい。結局、彼女の車を使わずレンタカーを借りてフロリダに行くことにしたらしい。止めても聞かない息子に彼女はあきれていた。そりゃあ、心配だよなぁ。家とか木とかなぎ倒されている映像が毎日流れてるからね。なんでこんな時期にわざわざ…。無事を祈るしかない私たち。は〜、それにしても今日はよく歩いた。マンハッタンを縦断したからね。お疲れ様でした。

 
 
9月11日(土)

今日は911テロの3周年である。3年前の今日はクリスタルブルーの空が広がっていて、とてもいい天気だったとのこと。今日も同じようないい天気だった。9月のNYは本当に気候がいい。今までここに12月から滞在した中で一番過ごし易い。ワールドトレードセンターでは、ツインタワーのあった場所から2筋の青いライトが空の彼方まで照らしていた。たまたま今日はテレビもつけなかったのもあるけど、家に帰る途中でこの光を見て、初めて「あ〜今日は3周年の日だ」と気がついた。強くてとても崇高な光に感じた。日本では911の日本人犠牲者のドラマをやっていたりしたようだけど、NYでは私のいる周辺はいたって普段と変わらない様子に感じた。ブッシュ大統領も現地には来ないで、ワシントンで追悼したらしい。

 
 
9月14日(火)

先週末から約1週間、42丁目のブライアントパークでFASHION WEEKが開かれている。アメリカの主要デザイナーがこぞってShowを行う、年に2回の大イベントだ。公園には巨大なテントが張られ、中では最新の'05春夏ファッションが紹介されている。そういえば、私は高校生の頃からこのNYコレクションを観るのが夢だった。こんな近くで開催されてるなんて。友達のSちゃんがコネで昨日ここに来たらしく、ジャック・ニコルソンの娘がデザイナーで彼女のShowを観たら、パパのジャックもいたらしく素敵だったと言っていた。いいな〜。来夏の特徴はゴールドと大きく胸まわりが開いたデザインみたい。

話は変わるけど、前にボストンに行ったお土産にともらったハーバード大学のTシャツ、サイズもピッタリで着易いのでバイトでよく着ているのだけど、今まで何度もお客さんから「ハーバードの学生なの?」とか聞かれていた。Tシャツに反応する人が予想外に多いのでちょっと奇妙な気分になって、あまり着ないようにしていた。そして今日、ひさしぶりにそのことも忘れてそれを着て街に出た。そうしたらまたTシャツに視線を感じるような気がして嫌な予感がした。そして地下鉄に乗ったら、ちょっと離れたところに座っていたおじいさんが突然話し掛けてきて「そのシャツはどうしたんだ?」みたいなことを聞くから「?」って顔をしていたら「これはハーバードのじゃない」みたいなことを言い出した。面倒なことになりそうな人だったので「友人にもらったのものなので全然わからない」と言って会話を終わらせた。車内中の人が注目していた。ものすごい嫌な気分だった。そういえばこっちでは、学校や名前入りのTシャツを着て街を歩いている人はあまりいないかもしれない。ほんとのハーバード大の学生しかTシャツは着ないのかもしれない。日本で気軽にロゴの入ったシャツを着るのとはあきらかに違うみたい。特に今回ハーバードのを着ていて思ったのは、多くの人がこの大学にひとかたならぬ思い入れを持っているということだ。もうこっちではむやみにロゴ入りの服は着ないことにした。

 
 
9月15日(水)

イーストヴィレッジにVENIEROというイタリアンcafeがある。このあたりでは一番の老舗で、ルームメイトはここのビスコッティが大好きで、私は常温で売っているチーズケーキが大好き。そこの3代目のまだ若い店長が、私のバイト先に食べに来た(歩いて30秒の距離)。帰り際に署名用紙と店のクッキー(これがまたおいしい)を置いていった。今年の1月、この店の前の路上で30歳の女性が雪の積もる道を犬の散歩をしている途中で、マンホールからの電気漏れが原因で感電死した。衝撃的なニュースとしてNYではものすごく有名で、私でも知っていたくらいだ。でも場所がそこだとは知らなかった。VENIEROの店長が置いていった署名は、この悲劇を忘れないようにAve.Aから2nd Ave.までの11th st.を、彼女の道として名前をつけようという運動の請願用紙だった。ホンコン(うちの店長)が一生懸命説明してくれたので署名することにした。チベット人のゾルジンは彼女が犬の散歩をしていたのをよく見かけたし、事故の当日現場を見たと言っていた。インドネシア人のWinnyは署名というものそのものに抵抗があるみたいで、自分の国ではやたらのものに署名すると警察がきて逮捕されるからこれにも署名したくないと言っていた。

国によって反応がさまざまでおもしろい。ホンコン曰く、32丁目のコリアンタウンもその昔、署名運動をした結果、道のアーケードにKOREANTOWNと明記されたんだよ、と言っていた。VENIEROがある11丁目のその次の通り、12丁目で映画『Beautiful Mind』の撮影でジェニファー・コネリーがロケをしたそう。彼女は自分の子供のベビーシッターはチベット人に頼むことにしているらしく、ゾルジンの友人だそうだ。彼女は今ブルックリンに住んでいるとのこと。チベット人は勤勉でまじめなので、ベビーシッターとして好まれているようだ。また映画業界にはリチャード・ギアなどの敬虔な仏教徒やチベットに興味がある有名人が結構多いらしく、ゾルジンはその辺にくわしい。ユマ・サーマンの両親は敬虔な仏教徒でユマ=Umaはチベットではとてもポピュラーな名前で、彼女の兄弟も仏教にちなんだ名前だとか。

 
 
9月17日(金)

今日はユダヤの新年らしい。ヘブライ語では「ローシュ・ハシャナ」と言うらしく、今年は16日、17日がその新年にあたるとか。西暦とは違うユダヤ人の間で使われている年代の数え方らしく、聖書に基づいて天地創造から計算した年数で新年を祝うので、ユダヤ暦では今日から5765年だそうだ。インターン先のLoriはユダヤ人なので、この2日間会社をお休みした。ルームメイトは母親方がロシア系ユダヤ人なので食べ物の嗜好とかはユダヤらしいなぁと思うけど、生活自体にはそれほど影響してないみたい。それでも彼女のところには、新年を祝うメッセージが留守電に入っていたりカードが届いたりしていた。

 
 
9月20日(月)

明日から毎年恒例の国連総会が国連本部で開催されるとあって1st Ave.はある一定区間が通行止め。警察官も大勢みかける。ついこの前はアメリカ全土から共和党員が集まって大騒ぎだったけど、今度は全世界からお偉方が集まるのだね。ホテル、タクシー、レストランは稼ぎ時らしい。でも一般ニューヨーカーは本当に大変だ。その度に交通規制や渋滞や電車の迂回などで生活に支障がきたされるのだから。朝の交通渋滞は大変なものである。バスに乗るより絶対に歩いたほうが早いもの。しかもこの国連総会は毎年あるので、共和党大会よりも頻繁だし。

今日は日本から妹が来る日なので私はインターンを終えてJFK空港に向かうために51丁目の駅に向かっていた。途中インターコンチネンタルホテルには国連の旗が見え、きっと各国要人が泊まっているのだろうな、などと思いながら歩いていると、ものすごい数のポリスを発見。この通りはウォルドルフ・アストリアホテルのある通りだし、これはかなりのVIPに違いないと思い、もしかして昨日ヤンキーズスタジアムで始球式をした小泉さんかも、と思いポリスの1人に聞いてみたら「プレジデントだ」と言われた。そうか、明日の国連総会初日に米国大統領はスピーチをすることになっているらしいから、彼も前泊するのか。ついでに、日本の首相もNYに来ているときいているけど知っているか?と聞いたら「わからない」といわれてしまった。国連総会はクリスマスの前まで開かれると聞いたけど、それまでずっと通行止めとこの大渋滞は続くのだろうか。。。。

それに引き換え、JFK空港まで、地下鉄とAir Trainを使ってのアクセスは快適だ。快速並に早い地下鉄に乗ってあっという間にAirTrainのある駅に到着し、完成したばかりのきれいな無人電車に乗ってあっという間にJFK空港である。妹にも無事会え、家に到着。その後、リトルイタリーへお散歩。San Gennaro Festival というイタリアのお祭りが開かれていてMulberry St.沿いはものすごい屋台の数。渦巻き状のソーセージやジェラート、チーズパニーニみたいなものやアサリBarなどが出ていた。イタリア人にも日本のテキヤのおにいちゃんやお姉ちゃん風の人々がいるのをはじめて知った。どうやら今回のお祭りは、この界隈の老舗のイタリアレストランのオーナー4人が発起人になって始めたSan Gennaro司教という人の殉教を記念するためのものらしい。それが今ではリトルイタリー全体のお祭りとして定着したようだ。歩き疲れたのでカフェに入る。ふとサザンオールスターズの曲の前奏が流れてきた、と思ったら ブルース・スプリングスティーンだった。あまりに似ていたので可笑しかった。次の曲もまたサザンの別の曲にそっくり。声の質も似ているし。

 

(10月へ続く)