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シャネルやフェンディのデザイナーとして有名なあのカール・ラガーフェルドが、H&Mでワンシーズンだけのラインを展開するとかで、今日がそのOpening
Day。前日から新聞でも大々的に宣伝。先着200名にオリジナルTシャツが配られるとのこと。カール・ラガーフェルドといえば、私の大好きなモデル、クリスティ・ターリントンのドキュメンタリー映画にもたくさん出てくるすごい人。そんな人がH&Mと仕事をするなんて、にわかに信じがたい。H&Mといえば、日本のユニクロをもう少し女性らしくドレッシーにした感じの低価格の世界的なチェーン店(でもなぜか日本には店がないぞ)。アイザック・ミズラヒがオートクチュールやプレタ・ポルテの第一線から退いて、「ターゲット」という郊外型量販店を通して、自分のラインを大々的に展開しているのは有名だけどね。とにかく偶然にもその初日にNYにいるんだし、ミーハーな私は朝早くから並ぶことにしたのでした。
さぞかし大行列ができているだろうと思って、開店2時間前に店の前に行ってみると、まだ15人くらいしかいなくて拍子抜け。とにかく待つこと2時間。寒いし、雨は降っているしでコンディションは最悪。前に並んでいる人たちともうちとけていろいろおしゃべり。フランス系の背の高いほっぺの真っ白なとってもかわいい女の子が前に並んでいた。途中でお腹がすいたらしく洋ナシをかじり出したのがまたかわいくて、写真撮っちゃおうかと思ったけどあやしいからやめた。しばらくしたら彼氏が登場。中村江里子の旦那風のこれまたおフランス系の整った顔立ち。さぞかし、カールの服がにあうんだろうな、っていうカップルでした。
時間を追うごとに人数もどんどん増え、テレビ局のカメラやリポーター、新聞のカメラなども集まり出し、にわかに騒然としてきた。メディアの注目もすごい。H&Mのスタッフはとても親切で、傘を持ってない人に貸し出ししたり、前から30人くらいまでの人にはクリスピークリームのドーナツの差し入れが!! できたてのまだあったかいドーナツは寒空の下で食べるととても美味しく感じた。そして開店少し前には、念願のTシャツが配られる。黒地にカールの自画像のデザイン。店の人がみな着ているやつと同じものだった。と、今日の私の目的はもうこれで果たされたのだが、まさかTシャツだけもらって帰る人なんていないよね。。という雰囲気。誰もその場から立ち去らない。熱気に押された私は、とりあえず開店した店をひととおり見てから帰ろうと考え直した。
開店と同時にものすごい人数が店内に押し寄せる。1階の中心部分にカールの商品が配置されていた。会場にはDJがいてかっこいい音楽がかかっていてムードもよい。なんか戦闘開始みたいなムードむんむん。普段のH&Mとは違う。洋服はセーターやコート、イブニングドレスやブラウスなど黒が中心。でもどれも安い。一番高いドレスで150ドル。カールのデザインでこの値段はありなのだろうか。ものすごい勢いで服が売れているのがわかる。品物を店員さんが補給しても補給してもすぐなくなってしまう。とりあえず気に入ったものを試着することに。試着室で並んでいたら女性が近づいてきて「ニューヨークポストですが取材させてください」だって。ニューヨークポストとは日刊のタブロイド誌。なんか舞い上がっていて何を言ったのかあまり覚えてないが、「日本にはH&MがないのでこのタイミングでNYにいれて嬉しい」みたいなことを言った。
試着してみたものの結局どの服も私のためにデザインされたものでないことがはっきりしたので全て戻して、Tシャツとカバン、サングラスを買った。このサングラス、カールがかけているあのサングラスだ。結局何も買わないつもりが買ってしまった。でもあのカールのデザインのもので自分でも買えるものがあるっていうのがとても嬉しい。いままで私にとってデザイナーズブランドは自分が身につけるものではなく、美術鑑賞の対象でしかなかったのに。この幸福感はちょっと言葉では表しにくい。開店前に2時間並んでいる時に私の前にいたおばさんと帰り際に再会。なんとおばさん全コレクションを買ったらしい。「信じられる?! 全部で2000ドル払ったわ」だって(笑)。
その日の午後の授業で先生とクラスメートに早速自慢。前の日、クラスで私がTシャツゲットしに行こうと思っていると言ったら、ニューヨーカーは並ぶの大好き、イベント大好きだからきっと大変なことになっていて、とてもじゃないけどTシャツゲットは無理じゃん。みたいなことを言われていたので私は鼻高々でした。ちなみに翌日のニューヨークポスト誌には私のインタビューは割愛されておりましたが、店の開店直後を写した写真の中に、洋ナシをかじっていたあのかわいいフランス系の女の子がいました。
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