正社員、派遣社員しながら大学院、ニューヨークでインターン、そしてまた日本へ…。「自分流ワーキング」を探して経験を重ねる皆川夏子(仮名・30才)の日記です。めまぐるしく変わる環境と個性的な人たちの中で、彼女はいったい何を見つける!?
   
●2005.7月● 地震とM&A
 
7月1日(金)

毎度、兜町の東京証券取引所にお遣いに行った帰りがけ、某有名女優がひさしぶりに復帰し、とある雑誌の表紙を飾ったのでその雑誌を本屋で購入。中身はオール読物って感じで新旧の作家の小説が載っている。亡国のイージスの原作者の書いた小説を読みはじめた。絵入 杏(エイリアンと読む)という人(?!)が出てくるところが妙におかしくてこの作家に好感を持った(笑)こういう雑誌のスタイルで話題の人を表紙に持ってきて2,30歳台に買わせるという手法は新しい気がした。

 
 
7月6日(水)

大手町にある大手信託銀行でセミナーに参加する。今話題の「敵対的買収」に関する専門家が企業の経営陣向けにレクチャーをするというものだ。信託銀行の人が私のような経営陣でもなんでもないポっとででも参加していいと言ってくれていたので入社1年目の子と二人で会場に向かった。数百人は収容できる会場にびっしり人が座っていた。やはりどの企業もこのご時世、敵対的買収に関してはかなりセンシティブなのだ。そしてその9割以上が比較的高齢のおじさん方。私たちが会場に入っていくと不思議なまなざしでジロジロみられた。たしかに「経営陣」というお歴々の方々とはあまりにも開きのある私たちがテクテク会場に入っていったのは一種異様だったのだろう。私たちはベンチャー企業だし、こんなものだろう、と思って話を聞いていた。本日の講師というのが企業関係専門の高名な弁護士さんということなのだが、失礼だけど大勢の前で話すのにはいまいちな人だった。全然わかりにくい。お歴々の方々もだいぶ寝ていた。

途中、休憩時間にトイレに行ったのだけど、男性のトイレの前に長蛇の列ができていてびっくり。それにくらべて女性のトイレはすきすきでした。男性トイレの前に長蛇の列ができているのは生まれて初めて見た(笑)。日本の会社を支えているのはまだまだこういう男性陣だとつくづく感じたのでした。

 
 
7月12日(火)
会社が新しいレストランをオープンしたのでそのオープニングレセプションの手伝いに。何千名に招待状を出して、果たして何名くるのか・・・といったところだったのだけど思いのほか来るわ来るわ。。もう建物じゅう人・人・人。この世にはパーティピープルと言われる人々がいるということも今回初めて知った。世も更けてからそれらしき人々がぞくぞくとやってきた。どうもそういう人々はパーティのハシゴをするらしくて、クロークで荷物を預けた中には、有名な某外資系ホテルで最近オープンしたところのノベルティグッズもありました。舞踏会みたいな格好をしてくる女性もいたし、見ている分には飽きなかった。元モデルさんやあのドクター中松氏も来場。セレモニーとしては大成功と言えるのではないだろうか。あとは普段のお客さんがどれだけ来てくれるかが勝負です。社運かかってます。それにしても夕食もなく立ちんぼうで数時間。本当に疲れた〜(涙)
 
 
7月20日(水)

会社に外国人機関投資家と通訳さんが来る。上司と私の合計4人。投資家が質問し、通訳さんが訳し、上司が答えるという繰り返し。こんなに当事者に近いかたちで同時通訳の方と同席したのは初めてだった。無地のノートを線で2分し、メモをとっていく様はプロの技。私はひたすらそれに見入っていた。見事・・・。うちの会社の業績がどんどん英語に訳されていくのはとても、なんというかウキウキするものだった。すべてが新鮮で今後のために使えるということだけでなく、英語という異国の言葉で自分の会社が語られているという不思議な感覚があった。

同時通訳にはテンポと勢いがあるようで、この方は途中どういうわけか上司が日本語で説明したものを日本語で外国人に話し始めた。2秒後に自ら気づいて笑って訂正されていたが、私にはなんかわかるような気がした。聞いた言語を頭の中で一回、言語以外のニュートラルなものに置き換えているのだ。そこから英語でも日本語でも自由自在にアウトプットできるようになっているような気がする。それを今日は垣間見れた気がした。

 
 
7月21日(木)

自社のレストランで、機関投資家の接待。私は上司のとなりでニコニコ笑っておいしいイタリアンを食べていればいいので気が楽である。しかも招いた投資家さんが話題豊富な人だとひときわ楽しい。おいしいワインとおいしい料理。しかもタダ。あ〜幸せ。この接待で何本かのおいしい白ワインをご馳走になったが、今日はブルゴーニュの白をいただいた。ブルゴーニュといえば、私の浅いワイン知識ではボルドーと並ぶ赤ワイン名産地だ。なので白を飲むのは今回が初めて。これが意外とおいしい。独特のクセがあってそれが適度でとてもよい。そして今日食べたチーズ。あまりのおいしさにあとでシェフに名前を聞いて覚えてしまったくらいだ。ひさしぶりに食べ物で感動した。

 
 

7月22日(金)

某有名女優が離婚したというニュースで社内女性陣もりあがる。 私はこのひとたちが結婚した当初はそんなに興味はなかったけど、旦那の会社のHPを仕事柄よく見るようになったころ、妻が復帰してTVにまた出るようになってその立ち居振舞いがあまりにもカマトト入っていてびっくりした。普通いままでカマトトだった人が結婚していい感じな人柄になるのに逆パターンのこの人がすごく異様に見え、軽い不快感をも抱いていた。そこへきて、この離婚話。なぜか「真理は勝つ」という感じがして気分がスッとしたのは私だけだろうか・・・この元旦那にはもっとピッタリのwifeがいるような気がする。

 
 
7月23日(土)

今日は休日出勤。 午後、部内の子と二人で「個人投資家向け説明」なるものに行ってきた。 今後のうちの会社がやるときの参考になるので聞きにいったのだ。 37歳の不動産会社の社長が元気良く、歯切れ良く会社説明を行っていたとき、突然会場が揺れだした。地震だ。すごい揺れだった。会場の上の照明器具が落ちやしないかと心配になった。年配の人が多かったのでさほど動揺した雰囲気もなくしばらく様子を見守る感じで沈黙が流れた。1分後くらいにおさまったのを受け、壇上の若手社長はふたたび話し始めた。「弊社のM&Aについてご説明申し上げます・・・・・」なんか自然災害の直後の言葉としてはあまりにも現実的過ぎて笑えたぞ。

 
 

7月26日(火)

会社に入って3ヶ月。初めて社長と意見交換。社長室で数人で話し合いの場を持ったのですが、それほど緊張しなかった。つい先日某女優と離婚したとある会社の社長は、社内をよくうろうろして社員とコミュニケーションをとるようにしていると聞いたことあるけど、うちの社長もそこまでではなくとも、狭い社内なのでよくみかけるので見慣れていて、今回も私は緊張しなかったのかな。内容は私が責任者で取り組んでいる件の方向性の報告。会社を外部の人々に伝えるツールの作成なのでそういう意味では責任重大。身の引き締まる思いでした。

 

(8月へ続く)