正社員、派遣社員しながら大学院、ニューヨークでインターン、そしてまた日本へ…。「自分流ワーキング」を探して経験を重ねる皆川夏子(仮名・31才)の日記です。めまぐるしく変わる環境と個性的な人たちの中で、彼女はいったい何を見つける!?
   
●2005.12月● 私にとっての2005年
 
12月16日(金)
巷で噂になっている、某社株の誤発注問題。すごいことが起きてしまったなぁ〜なんて思っていたら、うちの会社の営業担当者さんがその某社も担当しているとのことでびっくりした。その人は某社との窓口となるポジションなのでひたすら現地にとんで事後処理にあたり、事件直後の1週間は寝る間もなかったらしい。

誤発注自体はよくあることらしく、阻止できないことに問題があるのかもしれないけどね。外国でも大規模な誤発注は起こっているらしい、笑ってしまったのは、あるディーラーが1000億の注文エラーを出したらしいということ。コンピュータも特定され、絶対にそのディーラーが注文したはずなのに本人には全くその記憶がない。で、オチはPCのキーボードのF12キーを追加発注キーとして設定してあり、このディーラーは無意識にF12キーを何十回も押して合計1000億円の発注という指示がでてしまったのだとか。IT社会はうっかりミスが命とりなのですね。そして、またしても今回の東証システム担当のF社は渦中に。株式市場ではF社の競合の株価が急騰したりしていてF社大丈夫だろうか・・。私がここまでF社を心配する理由はただひとつ。毎年F社がスポンサーをしているJAZZイベントがなくなりませんように・・・・。それだけである。

ところでちょっとした話題?!になっている小説はだしの仮説に、私は反応してしまった。今回の誤発注問題で巨額の利益を得た20代の男性と、誤発注をした男性が裏でつながっていたのでは?!というやつだ。現代の20代が50代、60代の世代を出し抜いて一泡吹かせるというドラマ以上の筋書き。しかも殺人事件とかと違って、誰も死んでいないのでどこか痛快で・・・・この手の話大好き。ドラマにならないかなぁ。

 
 
12月21日(水)
TIME誌を買った。今年の人、ということでビルゲイツ夫妻とBONOが表紙。貧困や恵まれない人々のために活動をしている内容が紹介されていた。記事の中に 『think globally, act carefully』 という言葉がでてきた。一昔前に聞いたのは『think globally, act locally』 最後の部分が変わったのだね。

私は前者の carefullyにとても共感した。そしてケニアのマサイ族の住む村の小学校を訪ねたことを思い出した。この小学校は普通の公立の小学校だが、近所に日本人がオーナーのロッジがあることからさまざまな恩恵を受けていた。校舎は改築され、机やイスも寄付によって揃い、ある人からピアノまで寄付されいた。私を案内してくれたロッジの方(日本人)が寄付に関する実務をやられていて、詳細に実情をうかがった。彼によるとこの小学校はもう十分援助を受けたのでこれ以上はしないほうがよく、もっと困っている他の小学校に援助金をシフトすることにしたいと話していた。そんな折、日本の某有名バンドグループのリーダーが自分が出版した本の収益の一部を以前訪れたことがあるこの小学校に寄付したいと申し出ていたらしい。そのリーダーはこの小学校に、と思っていても、当のこの学校にこれ以上援助することは学校のためにならない。

これは現場にいて、よく観察しなければわからないことだ。援助する人は常に注意深く(=carefully)、行わなければならないのだと痛感した。ビルゲイツ夫妻やBONOは影響力が大きい分、ことさらcarefullyでなければいけないのだろう。

 
 
12月22日(木)
入社して7ヶ月、会社の忘年会の幹事を命ぜられた。これで何度目だろう・・・会社が変わる度にやっている気がする。でも今回のは規模が違う。いままでは多くて30人くらい。今回は、本部機能で働く人および子会社幹部合わせて総勢150名。多すぎて検討もつかない。会社自体がこの一年で急激に拡大したのもあり、この規模の忘年会は始めてらしい。

自社で保有しているパーティ会場を使用することになった。オペレーションは外部に委託しているのでそのトップの人と打ち合わせ開始。自社の施設といっても私は何もそこの情報がないし、トップの人はすべて把握しているけど、うちの会社の人じゃない。という微妙な関係がなにかとやりにくい。しかも内部のパーティなので利益は期待できないことからあちらさんはあまり好意的でないようで、色々と感じが悪い。上司からは色々と注文がつけられるし、やりとりの相手は感じが悪いし、とほとほ疲れた。とにかく当日を迎えるまでのこの2週間は大きな声では言えないけどほとんどこの忘年会の準備に明け暮れていた。やるからには成功させなければいけないのでぬかりなく準備をしようと思うと結構な時間がかかる。うちの役員方々はみんな若いし、ノリが良いので全員仮装衣装を着てもらうことになったのだけど、私は全員のキャラとかノリの程度とかがわからないので上司に聞きながら割り振るので時間がかかった。

でもその甲斐あって当日の会場は仮装した取締役や子会社の社長のおかげでかなり盛り上がった。パーティの進行も特段問題なく進み、なによりよかったのは時間どおり進んだこととみんなが楽しかったと言ってくれたことかな。は〜疲れた。

 
 
12月25日(日)

 少し前にとある会社が株主総会をしている模様が新聞に写真付きででていた。そこには数台のパソコンディスプレイが取締役の席上に置かれていた。自社の総会ではそんなものは置かなかったのでイッタイこれは何に使うのだろうか?疑問に思っていた。そしたらたまたま読んだライブドアIRさんのブログに答えが。株主総会に出席する取締役の背後には200〜300名の事務方が控えていて、株主さんからの質問がでたら速やかに事務方が想定問答集から質問を用意し、PC画面にそれが映し出され、取締役はそれを見て答える。ということのためのものだったのか。なるほど。でも自社の取締役はそんなものみないでも自分の言葉で答えられるし、ライブドアもそうらしい。株主さんは一昔前の会社にとっては脅威なだけの存在なのだろうか。

ところで、ライブドアの株主総会でホリエモンが涙したというニュースが。2005年は本当にホリエモンに始まり、ホリエモンに終わったね。

 
 
12月29日(日)

 『会社生活の友』に日記を書き始めて1年9ヶ月が経った。この1年を振り返って一言で表すと『現実は小説より奇なり』。2005年が終わるにあたり過去の日記を読み返してみましたが、どの月もまるで先月のことのようだ。日本の政治にとっても、株式市場にとっても2005年という年は節目になる年になるようだが、私自身にとっても本当に節目の1年だった。

NYから帰国し、日本でなかなか仕事がみつからない、2005年前半。その間は本当に悲惨だった。風邪もひと月に2度もひき、そして、なにより衝撃だったのは中尊寺ゆつこさんが亡くなられたことだ。そして2005年の後半は変化にとんだものだった。入社した会社で毎日起こる目新しいこと。そしてさまざまな人との出逢いがあった。一生出会えるはずもないと人と出逢い、笑って泣いて、そしていままで味わったことのないさまざまな感覚を味わったジェットコースターのような1年だった。まさに、現実は小説より奇なり。

犬年の来年はどんな1年になるのだろうか。楽しみだ。また来年も引き続きよろしくお願いいたします。皆様、素敵な2006年をお迎えください。

 

(1月へ続く)