正社員、派遣社員しながら大学院、ニューヨークでインターン、そしてまた日本へ…。「自分流ワーキング」を探して経験を重ねる皆川夏子(仮名・31才)の日記です。めまぐるしく変わる環境と個性的な人たちの中で、彼女はいったい何を見つける!?
   
●2006.7月● 落ちついた1ヶ月でした
 
7月3日(月)
仕事上、とある用事で取締役の知り合いという代議士さんとお会いする。一緒にいった同僚が以前一度会ったことがあって“すごい強烈な人だからね”と何度も念を押された。会ってみたら本当に強烈な人だった。詰襟の礼服みたいのを着て、派手な扇子をもちあおいでいたのが第一印象。その男性おそらく50過ぎだが、絶対に整形していると思われる顔。途中で上着を脱ぐとき内側に真っ赤は龍の裏刺繍が施されていて思わず見入ってしまった。用事が済んで車で送ってくれた。車もちょっと誤解されそうな外車。だんだん可笑しさがこみ上げてきて、こらえるのが必死だった。人はいい人そうで、面倒見もよさそうなので、代議士には向いてなくもないけどよく、選挙で当選できたな・・・っていう風貌。内心、比例選出かな・・とか思ったりして。会社の近くでおろしてもらうや否や、同僚と笑いが止まらず。わずか1時間ほどの間に強烈な人物に会ってしまった。
 
 
7月6日(木)
仕事がらみでネットサーフィンをしていたら、外国人が書いたとある本のことを知り、早速amazonで入手。読み始めたら面白くて止まらない。アメリカのとある靴のメーカーは、売り上げが低迷したが、ニューヨークの一部の若者が中古の店で安くておしゃれだということで新しいファッションとして履き始めたことで火がつき、デザイナーがショーで使い始めて、すっかり、売り上げが息を吹き返したそうだ。どんなことが爆発的な人気や売り上げにつながるのかは複雑な要因がからんでいるらしいが企業側の知らないところで売り上げが急増するなんて日本ではあまり考えられないんじゃない。

そういえばニューヨークの人は、他人のものにとても関心がある人々だった。図書館でパソコンを使っていれば、それはどこのだ?と何人もの知らない人から声をかけられた。冬場にロング丈のダウンが欲しくてさんざん探してをやっとみつけて着ていたら、やっぱりそれも街中で何人もの人に「どこで買ったの?」と聞かれた。とにかく他人のファッションにはとてもするどい人々が多くいることは間違いない。そんな街だからら、敏感なストリートグループの人たちのファッションにNYのデザイナーが気づいて自分のショーに取り入れたのもうなづける。そんなことから企業が息を吹き返すなんて、やはり、NYはアメリカンドリームの場所なんだなぁ。

 
 
7月10日(月)
最近、会社周辺に人力自転車みたいなものが走っている。電動自転車で人を二人まで運ぶタクシーだ。ちょうど、同僚といたところにそれが現れたので試しに乗ってみた。まず、行き先を伝えて料金が決定してから出発。人力車と違って、電動自転車なので、乗せてもらっているこちらもそれほど罪悪感はない。風を直接感じながらゆっくりと車の脇を進むのは何とも気持ちのいいものだった。結構まわりの人がちらちら見ていたが、それも気にならないほど快適だった。おのぼりさんのように、降りたときに運転のお兄さんと写真をとってもらった。
 
 
7月15日(金)

料理を専門に撮影するカメラマンの方たちが主催するバーベキューに誘ってもらって行ってきた。BBQになかなか縁がない私。なのでこういう時は嬉しくてノリノリで参加。主催者の人たちはさすがグルメ専門だけあり、今日の食材も相当こだわっていた。イベリコ豚、築地で朝買ってきた帆立、さざえ、マグロのかま。なんと知り合いのシェフと名乗る方がいらして、ドレッシングを作ってきてくれたうえに、氷入りカップに入ったサラダスティックやら色々とキャンプらしからぬものが出来上がってくる。ライムも沢山用意されていて、カクテルをつくってくれた。天気は最高だし、もう言うことなし。BBQの達人というのは本当に沢山いるんだなぁ、と変なところで感心してしまう。炭のそばで火を起こしている人を手伝って、肉をやいたり、サザエをやいたり。暑いし、熱いけどとっても楽しかった。

 
 
7月20日(土)

とある雑誌の編集者の方とお話をしていて、東京のグルメ事情の話になった。ひところ話題を独占していた一流レストランのAやBがいまではガラガラとのこと。そういうところは、たしかにおいしいが値段が高すぎて、あれやこれや言われはじめるらしい。今の時代、おいしいのは当たり前。プラスアルファで相当のコストパフォーマンスが求められる。本当に厳しい世界だ。そのグルメ担当編集者さんが言うには、大きすぎない店の広さと1万円で飲み物も食べ物もまかなえる価格帯というのが、息が長いレストランに共通することだそうだ。1年半くらいたってしまうと、大きすぎる店には空席が目立ち始める。自分の収入や金銭感覚から考えると、そもそもAやBには行こうと思わないが、そういう店に行く人でも、しばらくたつと行かなくってしまうのは、店側としてはきついなぁ。

 
 
7月24日(月)

某R社発行の人気フリーペーパーの出しているカフェをのぞいてみた。同社が入っているビルの1Fにできているのだけど、外壁をハリボテで覆っていて、学園祭ののりでちょっといけてない。期間限定にしてももう少し、お金かけたほうがよいのでは・・・って感じ。中に入ってみると、コーヒーの業者が入っていてすっかり業務委託って感じだった。うーん、雑誌があれだけ人気なのだから思う少し凝ったものにしてもよかったのではないかとどうしても思ってしまった。

 
 
7月30日(日)

つかの間の夏休み。毎年行く、近場のリゾートへ行ってきた。去年来たときは、仕事がIRだったので、連なる山々が株価の推移グラフに見えてしまって、職業病の気配だったが、異動もしたことだし、今回は株価表にはさすがにみえなかったので安心した。ここのところ、本当に殺伐とした会社生活を送っていた私にとっては有難い充電時間。キレイな空気とおいしい食事、静かな夜更け。どれも最高に贅沢。気になったのは、この会員制のホテル、年々サービスにお金をかけなくなっている。エレベータを降りると各階のエレベータホールにフルーツが積んであって好きなだけそこからもらってよかったのが今年は消えていた。温泉で使うタオルの質が前より安物になっていた。洗面所に飾ってあった一輪挿しが消えていた。。。などなど、気がつくと何気ないところからサービスレベルを下げているのがわかる。最近仕事柄、会員制ビジネスについて考える時間が増えたので、滞在しながら、そんなことを気にしている自分がいた。

 

(8月へ続く)