正社員、派遣社員しながら大学院、ニューヨークでインターン、そしてまた日本へ…。「自分流ワーキング」を探して経験を重ねる皆川夏子(仮名・31才)の日記です。めまぐるしく変わる環境と個性的な人たちの中で、彼女はいったい何を見つける!?
   
●2006.10月● 出向から1ヶ月
 

10月3日(火)

出向になって一ヶ月たちましたが、これといって何も変化はありません。社内の他部署に電話をするときに新しい会社の名前を言わないといけないのがぎこちない、くらいで席もまだ移っていないし、やることもまったくかわっていないので実感がありません。11ヶ月の出向期間だと聞かされましたが、うちの会社は一度出向に出した人に対して冷たいのはよく知っているので、用心しなければなりません。とはいえ、何か対策が打てるわけでもなく今与えられた仕事を淡々とがんばるしか今のところ手立てがありません。
 
 
10月5日(木)
チームのリーダーが1週間出張にでたので、忙しさは急増しましたが、気持ち的には実は解放感にひたっております。その人と話をしていると会話の3回に1回くらい不愉快な気分になるので、その人と話さないで済むのは精神的にもとても楽。羽を伸ばしているのがまわりにばれない程度に自由に仕事をしております。一時は暗い気分になったときもありましたが、あるときからこの子は「日本語がうまくないけど強気な中国人だ」と思うようにしました。そう思うと前ほど腹もたたず、かわいくさえ見えてくるから不思議です。友達だったらかわいい年下の子って感じだと思うんだろうし・・・。とほほ・・・
 
 
10月10日(水)
今日はうちの施設で某女性誌の撮影。昼から6時間の長丁場。モデルは私も大ファンの歌手Mさん。メイクアップアーティストこれまた超有名なWさん。どちらのかたも一度お会いしてみたかったので感激でした。

さすが大物、メイクもたっぷり1時間半かかります。その間に何度か用事があって控え室にお邪魔しましたが、その雰囲気の素敵なこと!部屋にはMさんの最新のCDが爽やかに流れ、鏡越しに素敵なMさんとメイクのWさんがアーティスティックな会話を交わしているのです。なんとも言えない高揚感で私はとても幸せな気持ちになりました。こうやって撮影までのボルテージをあげて、ひとつの作品を作り上げていくんだな、と思いました。天気はあいにくの雨模様。でもMさんがそこに立つとそれも演出のひとつとなってしまうくらい、雰囲気があります。最近数々の撮影現場に立ち会って、写真の持つ、パワーには驚かされます。

 
 
10月12日(木)

ここのところ毎日終電の日々。やっとうちについたと思ったら、携帯に仕事の電話が。どうやら、私がきっかけで大変な騒ぎになっているらしく、慌てて責任者が事態を聞くために私にかけてきた。

聞いてみると、私が受けた、某雑誌の明日の取材で撮影する料理がトップの最終ジャッジをとれていないことが判明。聞いた瞬間生きた心地がしませんでした。。。現場のトップに了解を得ていたのですっかりOKだと思っていた私があまかった。うちの会社は上が重たいということを忘れていました。もう夜中でしたが、その雑誌の担当者に電話をして状況を説明したところ、速やかに対応してくださり、明日の撮影とは別に料理だけ別日に撮影してもらうことを承諾いただきました。担当者の方が良い方で本当によかった。あー明日以降、色々な上司に頭さげないと・・・涙。

 
 
10月14日(土)

妹の結婚式に参列するため、長野へ。松本駅はやはり肌寒く、東京とは気温が違います。旦那さんになる人がクリスチャンで家族ぐるみで昔から通っている教会があり、そこで挙式を行いました。街中にひっそりとある小さな教会で牧師さんは普段からそこに住んでいるとのこと、アットホームな雰囲気のところです。挙式が始まり、牧師さんの発する言葉のひとつひとつはとても重みがあり、深い意味を感じさせ、結婚する当人たちでなくとも心に染みるものがあります。「この世で大切なものは、目に見えないもの」という言葉がとても印象に残りました。

涙腺のゆるい私は随所で涙に襲われそうになるのをこらえて式にのぞみました。友達の式に出ると決まって泣き虫な私ですが、理由はわかりませんが、妹の式だけは、泣かずに送り出してあげたいと思ったのです。披露宴が終わり、なんとか泣かずに過ごせたと思っていた矢先に、もらってしまいました。ブーケを。まさか妹からブーケをもらうことになろうとは・・・・妹が渡しながら泣き出したので、私も結局最後は泣いてしまいました。

 

(11月へ続く)