●1999.11月(2)● 鈴木その子





鈴木その子
(美容研究家 1929〜2000)
自他ともに認める「美白の女王」。朝丘雪路と一緒に出演した、自らのビューティサロン「トキノ」のCMで一躍有名になった。テレビ出演の際は専用の照明スタッフが顔を照らすことで有名である。CMに使われたベルサイユ宮殿のような自宅は、ホテルニュージャパンの社長の豪邸を購入したもの。「痩せたいなら食べなさい」という著書あり。

●中尊寺の分析●
私は最近2回続けて、その子さんにお会いしている。初めてお目にかかったのは、今年、鹿児島で開催された日本デザイン会議。顔学で有名な東大の原島教授と私とその子さんで「顔は心の一部です」というトークセッションをした。その子さんは教授と逆のことを「あら!そうかしら?」と平気でバンバン言うかと思えば、時々人の話をほとんど聞いてなかったりして、私はハラハラして面白かった。受講者はなんと500人。その子さんの人気はすごかった!女子高生が「キャーその子ちゃ〜ん!」だもんね。うれしそうに「ハ〜イ」なんて手を振って答えて、かわいい人だなあと思った。

実際に色白な上に、白っぽいトキノファンデーションをバッチリ塗っているから、かなり白い。アイラインもきつく怖い感じにも見えるのに、なんか「キャ〜」なんて声をかけてみたくなる親しみやすさがある。それはお育ちからくるソフトな雰囲気と、家来をつれて好きにやっている自由な姫の余裕というか。この70歳を越える姫の素晴らしい所は、由緒正しき家柄の出身であるだけではなく、ずっと手抜きなく仕事をしてきている、好きなことをすごいテンションでしてきている、それも長い間…。そこからは一流の女感がにじみでている。そこいらのやり手ババアには絶対無いものを持っている。

先日、その子さんはドラマでボケたおばあさんの役をやっていたがすごい存在感だった!しかしこの放送作家は、視聴率だけを考えている失礼な奴だ。本業の女優なら何どんな役をやらせてもいいが、こういう別の分野で一流の人にボケ老人の役なんてリスペクトと配慮がなさすぎる。その子さんは人がいいからニコニコ引き受けてその役を楽しんでいるようにも見えたが、ちょっと違うんじゃないかって言いたくなる。その後、雑誌の対談のため、その子御殿にお招きを受けた。いろいろなお話をしたが、やっぱりすごい気配りのある、優しいキャリア系お姫さま(70歳)であった。