●1999.12月(1)● 江角マキコ





江角マキコ
(女優 1966〜)
島根県出雲市出身。中学・高校時代はバレーボールで活躍し、卒業後も実業団バレー部に所属。ケガをして入院中にスカウトされモデルの道に。資生堂・伊勢丹・JRスキーのCMなどで注目を集め、1995年に映画「幻の光」に主演で女優デビューを果たす。その後テレビドラマデビュー。独特の存在感で男性・女性問わず人気を集め、一気に主演級女優としての座を不動のものにする。1996年2月、作家・桐島洋子の長男で写真家の桐島ローランドと電撃結婚するも、わずか9ヶ月で離婚。その後もドラマにCMに活躍を続ける。1999年11月、1996年に続いて2度目のヌード写真集「E-MODE」発売。

●中尊寺の分析●

先日、あるオヤジさんたちと話していてたまたま、江角マキコの話題になった。するといちばんえらいオヤジさんが「誰だあ?そりゃあ」と言うので部下の一人があわてて説明をした。「ショムニですよ!ショムニ!」…オヤジさんはわかったような、わかんないような顔していましたが、そうかあ、マスのボトムにおいて江角は“ショムニの女”ってことになっているんだね。するとその部下は「でも最初にOLを主人公にしたのは中尊寺さんですからねえ、江角やテLビ局に感謝してもらいたいところですよねえ」と言う。

それはないな。だって私の考えるOL像とはかなり違うから。ショムニは“男社会に反発する女の古い体質”がこの現代においてベタだから、おもしろいんでしょう?だからOLといってもオヤジギャルの延長線上にショムニはないし、どっちかっていうと逆だ。オヤジギャルはオヤジと融合して、しまいにゃ超えちゃうんですから。

しかし江角のおいしい所は永遠に洗練されないところ(マライヤ・キャリーのそれとはちょっとちがうが)。ダイヤモンド賞をもらっても、何してもやっぱり“島根の頑張り娘ストーリー”の枠からはみ出ない。なんか東京が面白くてしょうがない、この東京はわたしのもの、みたいな感じがかわいい。“自然体”っていうのは、何にもしない“天然の自分”ことじゃなくて、洗練されきった人たちが、最後にたどり着く境地だという解釈もある…ということを彼女が知るのはいつの日か。でもモデルとして出てきたころはすっごくカッコよかったんだ。ワイルドに洗練された感じだったのになあ。おっかしいなあ。どこでどうなって「自分のヌードで女を感じさせたい…」になるんだ?それは自分で言ってはいけないセリフだよね。多方面において勉強が必要な人だ。