●1999.3月● 安室ちゃん頑張れ!
3月5日(金)

今日は、朝から史上最低の気分。誰にも会いたくないし、誰とも話したくもないこんな日に、新人ちゃんったら遅刻するんだもん。だいたいねー、こんな気分になったのも、アナタのせいでもあるんだからね!せっかく人が先輩ぶってご馳走してやったというのに、なんで今朝遅刻なんかするのよ。おまけに、なんでわざわざ「昨日はあれで帰ろうと思ってたんですけど、もう一件行っちゃって…」なんて来てすぐ言い出すのよ!変な言い訳なんかしないでよ。それにね、どーせ私は電車で帰ったわよ。そしてそして……

3月に入りもうすぐ私の新人の教育係も終わりということで、昨夜は少し早いけどお疲れさん会をやってあげたの。うちの新人ちゃんとそれから彼女の仲のいい同期のコも誘って。ぺちゃくちゃやりながらてんぷらなんて食べてたんだけど、途中彼女の同期の「Y君ってGoodですよね」以外は平和だったのよね、ここまでは。 店を出て、駅の方向が私だけ違っていたから一人でトボトボ歩いていました。そこで出会ってしまったのが、酔っぱらいサラリーマンとそれを介抱する男。すれ違いざま酔っ払いの方が私に「いよー 姉ちゃん、一杯飲みに行こうよ」とかなんとか言ったのよ。疲れていたしうざいから、冷たい目をしたと思うのよね自分でも。そしたらさ、そいつがいきなりきっと顔をあげて今度は「なんだ姉ちゃんじゃなくてババアじゃないか」とのたまわった。それでねムカツキながらも無視している私に今度は連れの男が言ったのよ。なんて言ったと思う?「すいません、すいません」だってさ!バカ野郎、謝るんじゃない!しかもほんとうに済まなそうな顔して言うな。唖然としたんだけど平静を装って駅まで着いた頃には、怒りがメラメラと燃え上がってきた。どうして胸ぐらでも掴んで「なんだ、冴えない汚いオヤジじゃないか」ぐらい言えなかったんだろう。どうして社章ぐらい投げ捨てて踏み付けてやれなかったんだろう。電車のなかでも窓に写る自分の顔を見つめてしまったし、家に帰ってからも鏡ばかり見てしまったじゃない。どうしてくれるのよ、まったく。今日はやっとの思いで会社に出たというのに、新人ちゃんのお陰で私の周りには冷たい風が吹いてるじゃない。あーあ。

3月17日(水)

久しぶりに天気も良かったので、一人で遅めの銀座ランチに行った。その帰りに安室ママの事件を知りました。ほんとにびっくり。安室ちゃんがかわいそすぎる。むごすぎるよ。速攻で家に帰りたいのに、帰れないのよね。明日だって休んでTV見たいけど、そうもいかない。こんな時だんごを買ってきて、能書きたれている上司がいるんだからしかたないか。お腹いっぱいなのにTV見たさでだんご食べていたら、もう1本食べろとしつこく言われ2本も食べてしまった。でもこの事件見ながらおだんご食べていた人って、日本中探せばけっこういるんだろうな。明日は、だんごなんて食べないでTV見なくちゃ。忘れていたんだけど、Y君からのホワイトデーのお返しはまだもらっていません。ババアだからお返しがないのかも。そうなの、まだいじけているのだ。

3月23日(火)
髪を切ったのだ。ちょっとは若返ったかもしれない。Y君からはホワイトデーの申し出があったし、迷惑だけど部長からは新人ちゃんのお疲れさん会をやろうと言われている。どっちもまだロクな返事もしていない。どうせ声をかけられるなら、未知の人がいいのに身近ばかりじゃねぇ。せっかくこないだの連休は、両親が旅行に行ったというのに、連れ込む男もいやしない。別に連れ込まなくてもいいんだけどさ、雨だったから。ようやく3日目にお天気になったので、美容院に行ったのさ。髪も短くして、ゆっくり休んで、少しは元気がでてきた。そうよね、安室ちゃんだってあんなに辛い事があったのに、もう仕事の事考えているんでしょ。偉すぎるよ、21才なのに。少しは見習わなくっちゃ。でもなんだか義父もあやしいと思う人は、いないのでしょうか?
3月31日(水)

いいって言っていたのに、結局断わりきれなかった。新人ちゃんの教育係お疲れさん会。しかもメンバーが、部長と私と新人ちゃん。こんなのあり?もう一人男を入れるとか、正式に部でやるとかいうのはなかったのかしら?なんだかイヤな感じでしょ。これだけでも充分ヤな感じなのに、私たちをなかなか帰そうとしないんだから。哀れっぽく「もう、帰っちゃうの?」なんて言っても無駄。未練たらしいだけよ。昔は、もうちょっとパリッとしていて、ちょっとはいいかもなんて思ってやったのに… とにかく、部長なんかに個人的な興味なんてないんだから。これ以上勘違いした態度でもとろうもんなら断固、戦うつもりよ。私を甘くみないでよ。


(4月へ続く)