●1999.4月● みんな壊れちゃえ!
4月1日(木)

なんだかカタカナがいっぱいの改正均等法が今日から施行されたけど、OLは今も昔もOLなのよね? あ〜あ、つまんない。どうして男は、OGとかOMとか言わないんだろう。いまどきOLなんて一括りにした呼び方、かっこよくないわよね。だからって会社辞める程のことでもない。そうそう、このへんが女子アナとは違う。近頃、特にどんどん辞めていく気がする。すごい競争率をくぐり抜けて難関を突破したのに、もったいないよね。もちろん仕事上のこととか将来の事を考えての事だろうけど… 中村江里子に似ているなんて言われたこともあったから、昨日付けで退社するまで気になっちゃって。人身事故なんて起こすしさぁ、関係ないのに心配してしまった。とにかく会社を辞める気がない私のかすかな抵抗としては、なるべく社内では“さんづけ”で呼ぶことかな。あれっ、クライアントでも“さんづけ”にしてた! そんなの当然よね。本当はエイプリールフールということもあって「実は6月いっぱいで辞めます。結婚するんで…」と言ってみたい衝動にかられたんだけど、本気にされると引っ込みがつかなくなるので黙っていました。とにかく、またまた新入社員が入ってしまったのだ。ということは、私は今年…なんだか頭が痛くなりそう。

4月12日(月)

長い長い選挙戦もやっと終わりましたね。もういい加減にしてほしいくらい選挙カーにでくわしてしまった。みんなが候補者の名前をがなりたてているようにしか、思えなかったな。始めのうちはTV討論会なんてやっていたのに、その時は立候補していなかった石原さんに決まるんだもんな。なんだか狡いような気がする。石原軍団引き連れて「石原裕次郎の兄です」だもんな。具体的な政策より知名度とかが優先するしたのかな。確かに一番、都知事らしい風貌はしているけど… この選挙に賭けるという悲壮感いっぱいの他の候補者は、これからどうするんだろう?もっとも6人だけがクローズアップされていたけど、都知事選には19人も立候補していたのよね。どうしてマスメディアは、6人に絞りこんだ報道をするの?どうして石原さんがでてきた時点で、石原優勢だと言い切るの? どうして開票率が10%以下で、当確なんて言えるの?あ〜あ、知らない事ばかり。

私に分かったことは、ただ一つ。人は、争うのが嫌いじゃないってことくらい。選挙もそう、サッチーと浅香光代だってそうじゃない。自分の主義主張があっても、そのうちだんだん人の悪口合戦になってくるんだから。選挙みたいに期日があればまだいいけど、サッチ−VS浅香はどこまで続くんだろう。サッチ−も普段あれだけ言いたい放題なんだから、きっちりさせた方がいいよね。とにかくサッチ−が先生にならなくてよかったと思っているのは、小沢一郎だけじゃないわね。いいや、いっそー先生にでもなってくれたら日本がガラッと変わっておもしろかったかも。とにかくね世間がざわざわしていて、せっかくの桜を慈しむように愛でることができなかったのが、残念。

4月22日(木)
それはそれは、静かな日々でございました。そして、退屈な日々でもございました。風邪をひいてしまったのでありますが、けしてそれだけではございません。私(わたくし)、携帯を壊してしまったのであります。

そうなのよ、携帯が壊れたのよ。正しく言えば、壊されたの。車に轢かれてしまったのだ。スクランブルの信号が変わろうとしていたから、ダッシュしたらポケットから落ちてしまったのだ。しかも落とした事に気がつかなくて人に教えてもらったんだけど、その時すでに信号は赤。ほんの3.4mのところに落ちているんだけど、拾いに行けなかった。オロオロする私と一緒になって、周りの人がそこに携帯が落ちているとゼスチャーで示してくれたりしたんだけど、直進してきた3台目の車がはねた。でもかすった程度に見えたから一縷の望みを託していたんだけど、その後のバスがグチャとつぶした。ちゃんとグチャっという音がしたんだから。もう、バスなんか乗らない!つぶれてしまった携帯を拾いに行くのが、めちゃくちゃ恥ずかしかった。「あ〜あ」という声を背に拾い上げてみると、さっきまで親切だった人とかが今度は一緒に覗いているんだもん。こんな時ってどんな顔をすればいいの? まさか泣き出すわけにいかないじゃない。きっぱり諦めたような顔をしたつもりだったけど。かなり動揺してたみたいで、慌てて家に電話してしまった。バカみたい。だってさ、ポケットに入れていたんだって、クライアントから電話が入ることになっていたからなのよ。それなのに、それなのに、家に電話しているんだもんね。クライアントは、何回かけても話し中だったと言っていたわ。ふ〜ん、そんなもんかななんて思っていたけど後日、機種変更する時になって電話代の事が気になった。お店の人も他人事で、「請求書がくればわかりますよ」だって。

そしてとうとう今日、新しい携帯がやってきた。とってもハッピーよ。だってもう、誰かがデートに誘ってくれたんじゃないかしら、とか悩まなくていいもんね。ただし、このどさくさに紛れて部長が「番号変わったの? 何番だっけ」と聞いてくるのが、うざい。教えていい人と、そうでない人がいることぐらいわかってよ。そう、クライアントでも教えている人がいるといるのに、部長には今だに番号を教えていなかったのだ。きつ〜い箝口令をひいてあったけど、口を割る人間がでてくるかもしれない。

4月28日(水)

不安は的中。私の携帯に部長から電話がかかってくるようになった。行き先はわかっているくせに、どうでもいい事でいちいち電話してくるな。夜になると、電話するのもやめてほしい。お陰で、電源を切るはめになったじゃない。しばらく様子をみるけど、これが続くようなら番号を変えるしかない。犯人は、わかっている。Y君が教えてくれたもんね。なんと去年の新人ちゃんT美なのだ。それなりにかわいがってやってたのに、部長の罠に簡単にはまったのよ。これはT美にも、なんらかの形で責任をとらせなくちゃ。とりあえず今日、部のパソコンプリンターを壊した責任を取らせるつもりはないから、安心してよ。携帯に続き、プリンターまで壊してしまった。でも告白はしていない。だって部に誰もいなかったんだもん。ちゃっかり自分は隣の部のプリンターを使って、プリントアウトしちゃったから忘れちゃった事にしとくんだ。きっと前から調子がわるかったのよ。分かる人がみればすぐ直るわよ、きっと。でもこのぶんでは、またまた何かを壊しそう。どうか体ではありませんように。どうせ壊さなくてはいけないのなら、部長の家庭にでもしとこうかな。


(5月へ続く)