今日は、いや正確に言えば昨日からは、ものすごく腹が立っている。一週間も働いた上に、あんまり腹が立っているから、疲れているのに眠れやしない。別に森高が、落ち目の江口なんかと結婚したからではないし、今井美樹がやっぱり噂の布袋と結婚するからでもない。そりゃぁ山下久美子を追い出して結婚一直線だったくせに、今井美樹が精神のバランスを欠いているなんて、さも同情的に扱われていたのには不愉快だけど。でも、そんなことどーでもいいっていう感じよ。ほんのちょっとは、関係があるんだけど。
外から戻ってエレベーターのところで、知り合いにあってお茶でも飲みに行こうとなったわけ。終業時間も過ぎていたから、さほど焦らずお茶に行って部屋に戻ったのよ。そしたら結構みんなあっさり帰っていたり、立ち帰りで部屋には人があんまりいなかった。机の整理と月曜日の用意なんかしながら、おじさんと森高の結婚話などしてたらあっと言う間に8時30分が過ぎちゃった。そこへ何してたんだか判らない部長が登場して、「軽く飯食いに行こう」とおじさんと私を誘うわけ。帰ると言って相手にしてなかったら、おじさん懐柔作戦に出た。おじさんから何度か一緒に行こうと言われるし、正直お腹が空いてきたのもあって、3人でご飯を食べに行くことになってしまったのよ。
近くの魚なんか食べさす店に行ったんだけど、お疲れさんのビールがどんどんやってくる。蒸し暑かったからビールはおいしんだけど、どうもご飯食べるって言う感じじゃないのよね。煮付けだてんぷらだ、ご飯だ明太子だといっているの私だけなんだもん。ヤバそうだからとりあえず食べていようと思った時には、すでに時遅し。ガンガン飲んでた部長が、もう酔っている。それでもまだ飲む。いろいろ頼んでいる。だんだん愚痴りだす。お得意が悪いだの、みんなはわかっていないだの。とってもヤバい感じになってしまった。ついて来なければよかったと、後悔したけどもう遅いもんね。近頃なんだかしつこいけどこんな感じじゃないもんね、いつもは。会社の近くの店だし、あんまりかっこいいもんじゃないので、とりあえず店を出たのよ。そこでおじさんと部長を捨てて、帰ればよかったんだけど、そうもいかなかった。だっておじさんだって困っているし、私だって仕事でなんだかんだいいながらも、仕事で世話にもなってるもん。だから本当に仕方なく、もう一軒付き合った。今度はちゃんと飲める所、すなわち他にも酔っ払いがいるとこに。
そこで落ち着いてくれればいいものを、2人で飲ませないようにしていても、奴のテンションは下がらず。もっともっと過激になるのでした。みんなが自分に冷たい、からだんだん私が冷たい、冷たくなったまで言うのよ。そりゃあ、あったかくはないにしてもそんなに冷たいことなんてしていないのに。だいたいね、そんな事いわれちゃ部長となんかあっいたみたいじゃない。冗談じゃないわよ。ベタベタしてきたのは、あんたのほうなのよ。それをやんわり断わったり避けたりして、どこが悪いのよ。今だって、仕方がないから付き合っているんだし、そんな事はありえないけどもし2人っきりだったら、平手打ちよ。ぬぁんと、その後追い討ちをかけるように、もっと頭にくる事まであった。いくら時間が経っても状況が変わりそうにないので、帰ることにしたら部長が私のバッグを奪って返そうとしない。「もう一軒、もう一軒だけねぇ。朝、起こしてあげるから」だと。明日は土曜日なんだし、どこでどうやってあんたに起こしてもらうのよ。もういい加減にしてよ、あんたなんて一生寝てろって感じです。これからは、もっとさっさと帰る事にしようと、固く心に誓ったわよ。