●1999.10月● 32才かぁ…
10月8日(金)

東海村の臨界事故は、もう周辺の住民や農作物などには影響がないのかな? あれだけの事故だもの、これからの原子力発電のあり方が問われて当然という気がする。

私も以前、近くまで行った時に東海村と柏崎の原子力施設を見学したことがあるけど、どちらも松などの緑が施設の周りには植えられていたわ。東海村の展示室には、ウランの原石が置かれていて、何枚かのガラス越しに見ているのに、これがウランなんだと思うだけで緊張してしまった。柏崎では、バッジをつけて見学者も上着を着てガイドの人に案内してもらい一巡した。いろんな計器が置かれている制御室も、ガラスを隔てて覗いた。中で働く人の2、3人が、たまたま計器から目を離して書類かなんかを見ていると、それだけで「ほらっ、早く計器を見て」と願うような気持ちになったのを覚えてる。施設で出るゴミも、大きな色分けしたゴミ箱で廃棄などの区分をしていたし、人の気配よりもマニュアルでコンピュータなどを管理しているなという印象を持った。

それだけに、人が係わっている部分が大切になってくるはずなのに、どうして起きてしまった事故の連絡が遅れるのだろう。パンフレットや広報誌にもきちんと書かれていることなのに。まるで忠誠を誓った(?)会社に裏切られたよう。今や原子力施設は、日本中にたくさんあって国策事業として進められているはずなのに。そりゃ、できれば風力や太陽光発電が望ましいけど、国土の狭い日本ではなかなか難しいんでしょ?原子力が必要なのは理解してるけど、安全であってこそのものよね。こういうエネルギーの問題こそ、もっと世界レベルで協議して欲しいわ。私、長生きするつもりなんだから、心配だわ。

10月12日(火)

パン教室に行ってきました。2種類のピザをつくったの。時間はかかるけど思っていたよりずっと簡単で、できたてのピザのおいしさは格別なものでした。パンの生地は、手触りがよくてとっても気持ちがいいの。自分でもつくってみたいなと思っているんだけど、これからの季節はパンを発酵させるのが難しいんだって。どうしようかな、とりあえず本を買って眺めることにしたわ。

学生の時は、お洒落なお店でサンドイッチなんかを食べるくらいだったのが、会社に入ってからパンを食べる機会が多くなったんですもの。時間がない時や残業の時にコンビニで買うだけじゃなくて、お昼がずれたり外にでていて急いで戻りたいときは、たいていパンを買ってしまう。だからおいしいパン屋さんは、ほんとうに貴重なの。知らない所でもパン屋さんは、すぐ目につくくらい。チャレンジしてます。そんな馴染みの深いパンが自分でつくれたら、いいな。今回は祝日に教室があったからちょうどよかったけど、次はいつ行けるかしら?一緒に行った友達とも久々の再会だったのに、二人で話したのはパンのことばかりだったわ。

10月18日(月)
髪をすこし切って髪型も変えました。さんざん人に聞いて新しい美容院へ行ったんだけど、また別のお店を探すことになりそう。人に聞いてわかったのは納得して通っている人は、意外に少ないんだということ。散切り頭にされたわけでも、坊主にされたわけでもないのに、いまいちなのは、髪をていねいに扱ってくれなかったからかも。だってカットするときのブラッシングが痛いのよ。あと予約の電話がかかってくると、なかなか戻ってこないの。おかしくって。「はやくブームが去るといいですね」と、声をかけてあげたくなってしまった。

ところで、高田賢三が引退するんだってね。ああいった物を作る才能がある人というのは、一生その才能を活かして生きていくものだと決めつけていたから、驚いてしまった。ジャンルは違うけど、久米さんもいなくなってしまったし。あんまり緊張の連続が長いこと続くと、なにかの拍子にフッとお休みしたくなるんだろうな。次元は違うけど、私も忙しい時って張り切るのよね。それが続いているとなにか全く別のことがしたくなるのよ。時間がないから、時間をつくろうとする。あんまりハードなものは、疲れているから眼中にないんだけどさ。1週間2週間単位なら問題ないんだけれど、どうしても1ヶ月や2ヶ月近くなると辛いよね。でも不思議なもので、なんとか乗り切れる。その波が去ったあとが問題なの。たいてい風邪をひいたり、熱が出てダウンするのよね、みんなも。そうでなければ、暇に耐えられないかどっちかだね。暇がうれしいのは、2、3日まで。当分の間、私の波はこれからますます高くなりそうです。ケンゾーと久米さんに何があったかは知らないけれど、なんだか寂しいよ。本人は引退してもケンゾーのスーツは着れるわよね。久米さんはいないけど、渡辺真理は出ているのよね。だんぜん小宮悦子の方がいいのにな。 

10月27日(水)

朝よく同じ電車に乗り合わせるOLキャリア風の女性を、この頃見かけなくなってしまった。帰りも時々駅で会っていたから、話したこともないのに親近感をもっていたのに。私が就職した時からだから、たぶん年上なんだろうな。疲れている時や滅入っている時に会うと、彼女も頑張っているんだからと自分を励ます材料にさせてもらっていたのに。彼女が疲れていそうだと、ひそかに心配もしていたの。本や紙袋を持っていればチェックしてたし、ファッションも参考にさせてもらっていたのだ。時々は、彼女も私のこと見ていたのだって知っているんだから。転勤でもしたのかしら?結婚退社かしら?それとも病気なのかしら?気になって仕方がないわ。大学を卒業した年から10年だもんね。なんらかの変化があって当然なのかもね。32才のこれからの1年は、どんな年になるのだろう?今日の天気のような大雨にだけは、したくないぞ。


(11月へ続く)