●2000.3月● うつ病かしら?
3月8日(水)

春になると、うつ病になる女性が多くなると聞いたけど、私もそうかもしれない。思いのほか、風邪が長引いて、かれこれ10日も薬を飲んでいるせいだけではなさそう。

今日なんてお酒を1滴も飲んでいないのに、思いっきりけんかを売ってしまった。けんかを売ったは言い過ぎかもしれないけど、からんだのは確かよね。それも久々に集まった同期によ。どんな事かといえば、CRの人妻M子と前に合コンランチを組んだ子を含め4人で夕飯を食べに行ったの。誰も難しい話なんてしようとも思っていないし、たまにはねぇご飯でもっていうやつですよ。その中で合コンランチの彼女が「どうせ私なんか…」「もう年だから…」というフレーズを何度となくリピートするのよね。まぁまぁ、なんていいながら聞いていたのにとうとう聞き流していられなくて「同じ女として聞き苦しいよ」なんてのたまわったおバカな私。特に何かがあったわけじゃなくても、そう言いたくなる気分だってよくわかっているのに、正論振りかざしてどうするのって感じでしょう? 同じ数だけ「そんな事ないよ」って答えるのもめんどうだったし余裕もないのよ。いつまでも同調していると、年だから、私ごときが、と諦めなくちゃいけない事ばかりに思えてきてしまったのよね。

多分、私自身のバイオリズムも底辺で停滞しているせいかもしれないけど、これでもそれでも気分を盛り上げようと努力しているんだから。その努力の一つが“あの叶恭子と一緒にディナー”なんだから、笑えるでしょ。ある懸賞雑誌の目玉企画だったらしいんだけど、散々迷った末に締め切り日に一枚だけ葉書を書いてみたの。あれから1ヶ月経つけど連絡がないから、ハズレたのよね。出す前から当選したらどんな服着ていこうか、何を聞こうか、ダイエットもした方がいいのだろうかと、考えてしまったわ。興味はあったけど、顔さらすのはちょっと勘弁だったかも。これからが春本番なんだから、気を取り直してうつ病にならないようにしなくちゃ。

3月17日(金)

やっぱり若乃花は、早く引退したかったのよね。今場所は休んで、もう少しコンディションを整えて来場所に勝負してほしかったけど、来場所は万全を期して臨めるなんて保証はどこにもないもんね。ニュースでは早々とタレント業に転向なんていわれているけど、お兄ちゃんのキャラクターも色褪せてきたし、スポーツ選手って大体の人がナレーションがうまくないよね。代理店からのひきあいがかなりあるということだけど、キャラクターをうまく生かせるものか意外性のあるものでないと、ワンパターンになって飽きられちゃうと思うよ。離婚なんて今したら、スポーツキャスターも厳しそうだしね。いくら周りが続けろとか休めとかいっても、大人には通じないのね。そうか温和そうなお兄ちゃんも、男だったのね。

3月27日(月)
先日、自分の部屋用にテレビを買いました。それもこれもビューティフルライフのせいなのよ。日曜日の夜、親と一緒にドラマ見て泣けないでしょう。私の涙は、大切な人にしか見せたくないもんね。それもすごっく大切な時にだけにしときたいわけ。このドラマは始めから死ぬ死ぬと言ってるわけだから、死を迎えるまでの時間をどんなふうに送るかって事に焦点が当るわけよね。

Hはあったけど、人の力ではどうにもならない問題を抱えた純愛ドラマだと思うんだけど、それは独りでみていたからそう思ったのかしら。お陰で平和で長い人生を、どんなふうに過ごすかって改めて考えさせられたわ。もしもこのドラマを男と二人でソファーなんかに座りながら 見ていたら、そんなふうに見たんだろう? 独りで見てたら、私が死んでしまっても私との約束や私自身の事を大切に思い続けてくれる人が、無性に欲しくなってしまった。きっとそんなふうに思ってくれる人が、どこかに一人だけはいるって信じたいよね。清らかな涙を流した後なのに、最近ハマっているパステルのプリンを食べたら、やっぱりおいしいと感じてしまいとてもとても虚しくなってしまったわ。 

3月30日(木)

昨日は、ヘンな日だった。ヘンな私のヘンな日というのが、正確かもしれない。赤坂で仕事が終わった時に、ちょうど一人だったのよ。そのまま帰る気にも一人喫茶店に入ったりご飯を食べる気にもならず、フリーのプランナーに電話していたの。その人は事務所が青山にあって、この半年くらい一緒に仕事をしていたんだけど、それももう終わろうとしているのよね。今まで何度も電話はしているけど、用事もないのにかけたのははじめてよ。何度か近くにきたら連絡くださいと言われていたから、なんとなくかけてしまったのよね。

向こうも仕事が片付いたというので、近くのお蕎麦屋さんでお酒を飲みながらいろんな話をしてたの。実は覚えているのはそこまでなのよ。次に気付いたのはいきなりタクシーの運転手さんの「どの辺ですか?」の声なんだから、びっくり。もう、家のすぐそばだった。あ〜ん、ベロベロだったのね。そんなに飲んだつもりはないのになぁ。何があったのか聞いてみたいような聞くのが怖いような、気分です。覚えていないとはいっても、知らん顔するのはまずいよね。


(4月へ続く)