●2000.12月● タイミングが悪いのよね
12月6日(水)

とうとう入籍したのね、キムタクったら。いくらキムタクとはいえ、純粋培養された所詮アイドルなのよね。世間の目もあるから恋愛や女に関して一般人よりずっとウブなのかもね。わざとらしいくらい五歩や十歩さがったふりをする静香を選んで、それで幸せならそれでいいんだけどさ。

この前まで上野で開催していた「ダイヤモンド展」にいったとき、ラストに静香がデザインしたバービー人形の衣装があった。気づいた人たちだけが、「これ工藤静香のデザインだって」と言っていただけで、混雑しているなかで足を止めて鑑賞に浸っている人はいなかったよ。あのときは、まだ結婚も発表してなかったから仕方がないのかもね。いくら絵をかく静香でも、アクセサリーのお店をもっていても。

さらに、もう一言。笑っても不健康感が拭えない、静香の口角の皺が気になるの。上を向いて大きくおもいっきり「あ・い・う・え・お」をいうと、顔のストレッチになっていいそうよ。やっぱり30を過ぎると、いやでも口角に皺ができるのね。いい恋をして幸せいっぱいでも、タレントでも。わたしたちのあいだでも、この皺と目の周りのお手入れ方法が話題なのももっともね。

12月8日(金)

驚きの連続とはこのことなのね。キムタクの結婚報道も霞んでしまう聖子の離婚会見。どう考えても売れに売れている聖子でもないから、これ以上キクタク情報が手にはいらないんだとは思うんだけど。でも再離婚よね。聖子のことだからどうせ離婚するなら、今がチャンスと思ったのかしら。だってキムタクよりずっと報道されているじゃない。聖子も旦那も大人だし自分たちのことだからいいけど、娘がかわいそうよね。いつまでも女現役の母親というのは、気持ちの悪いものじゃないかしら。自分に彼氏ができても、おちおち紹介なんてできないんじゃないの。聖子が母親なら、ありえない話じゃないもん。

ありえないといえば、その子ちゃんよね。あんまりにも突然よね。けっこう好きだったのに、残念。銀座の4丁目にある巨大スクリーンには、社名変更の告知広告が今日も流れていた。告別式もお葬式も親族だけですませてしまったなんて、さびしいよね。今度、前から気になっていたあんぱんを買いにいってみようかな。

12月24日(日)
今日は、念入りにメイクしてカクテルドレスを着てごちそうを食べた日でした。それはイブだからではなくて、親戚の結婚式だったから。イブに結婚なんてロマンチックなんだけど…先週は風邪をひいて、会社を2日も休んでいた身にとってはちょっとしんどかったもんね。ただでさえ夕方になると毎日、熱がでるんだぞ。外での式は、厳粛でいいんだけど寒かったぞ。

というわけで、はじめっからOさんとのクリスマスケーキは難しかったのだ。それでも一応、欠席できるかどうか親にそれとなく聞いてみたんだけれど、即座に却下されてしまった。おまけに従兄弟の結婚式というだけあって、親に嫌味までいわれてしまった。もちろん親戚のおじさんやおばさんもきているし、子連れの妹夫婦もいるから、なんとなく肩身の狭い思いでした。くたびれて帰ったから夕食は、店屋ものの鰻重。鰻重にショートケーキを食べたイブになってしまった。イブの結婚式は、罪づくりだよね。祝福はしているんだけど、恨んでいる人もいると思うな。わかったか、従兄弟。

12月29日(金)

とうとう今世紀が終わるのも、時間の問題になってしまいました。なんだか漠然と考えていた自分なりの世紀の節目とは違うけれど、現実ってそんなものよね。今年だけを振り返ってみて満足できるのは、仕事だけかも。こうやって仕事が中心の生活になるのは、仕方がないのよね。プライベートと仕事はきっちり分けたいと主張していた後輩のM子も、いまではすっかりお仕事モードだもの。仕事のせいで、男と別れたことも忘れているのかもしれない。

仕事関係のOさんには、クリスマスケーキの代わりに岩牡蠣を食べに行きましょうと提案されたんだけど、岩牡蠣は体調不良のために延期にしてもらった。 今週二人で北京ダックを食べにいったんだけど、クリスマスケーキを二人で食べるという、すなわち「夜明けのコーヒーを二人で飲もう」とも受け取れる感じは消え失せていた。なんか機会を逸したというのでしょうか。またもやなんです。Oさんとは、ほんと間が悪いというのかいつも風邪のときばかりお誘いがくる。ちょっとはOさんとお付き合いしてしまおうかなという気持ちがあったのに、こんなことばかり重なると単なる仕事仲間でしかいられないようです。

そしてここで浮上するのが、やっぱり私が見つけた金城君なのです。毎日毎日、彼のことばかり考えて浮かれていたのですが…まだ金城君に会いにいけていないの。だって年末だというのに、容赦なくプレゼンが二つもあったんだもの。そのうえ風邪までひいてしまって。だから明日は例のパチンコ屋さんまで、いってみようと思っているの。この休み中に、もう一度会いたいもの。ここで会えなかったら、またいつ会えるかわからないじゃない。20世紀の最後に、もしかしたらもしかしたら彼ができるかもしれないのよ。うふふ。それが21世紀の幕開けでも構わないんだけどね。とにかく来年は語学を勉強するとか、お菓子づくりを趣味にしたいなんて、悠長なこといってられないの。なんていっても金城君なの。ほんとうの金城君でなくても、あの顔を見ていられたらそれだけで幸せ。これが20世紀最後の恋なのね。ほら、「二千年の恋」なのよ。


(1月へ続く)