●2001.1月● もう21世紀かぁ。
1月4日(木)

21世紀の幕開けは、案外しょぼいものでした。公私ともに華々しいものを、どこかで誰かに期待しているのになんだかパッとしないものですね。年末年始のテレビや雑誌なんかも毎年のそれと変わり映えしないし、周りを見渡しても今まで通りに暮らしているようです。こんなに気分がパッとしないのは、寒いからといって年末の大掃除をしなかったからでしょうか。それとも私の金城武さまにお会いできなかったからでしょうか。

とにかくお正月は、年々面倒くさくなっている。元旦は、親戚に電話をかけたりかかってきたりして当り障りのない挨拶をしなくてはいけないし、その結果小さな嘘や当てもない話もしなくてはいけない。いただいた年賀状のチェックもしなくてはいけないし、書き足したりもしなくてはいけない。おせちもある程度まで家族でつつかなくてはいけないし、なんていってもお正月だということで、不機嫌そうにしていられない。ほんとうは元旦だって金城くんを探しにいきたかったのよ。でも新年早々パチンコ屋なんかにいってはいけないような、そんな雰囲気があるじゃない。誰かに聞いたわけじゃないけど、もっともそんなこと誰にもいえないんだけどさ。年末にやっと念願かなっていけた時も、こんな年の瀬に…というのが自分のなかのどこかにあったのよ。知っている人に会いたくないというのか、お店の出入りになるべく人に見られませんようにという、ラブホの出入りにも似ている気持ち。こうやって考えると、あの金城くんと親しくなれてお付き合いできても、結婚ということになれば「知り合ったのはパチンコ屋でした」というわけにはいかないのかもしれないでしょ。こんな事考えてしまう自分が、すごくずるくて汚い人間で嫌なのよね。それでも会いたい気持ちだけは、ほんものなの。彼は地方の人でお正月は帰省していたのかしら。2回しか捜索していないんだけどさ。軍資金もってまた出かけようっと。あと一つ、加藤紘一事務所からメールが入っていた。2通もよ。1通しか出していないのに、同じ文面で2通もくれなくてもいいわよ。

1月16日(火)

寒いよね。冬だけどやっぱり寒いよね。ところで成人式はどうして15日じゃないの? ずっとずっと15日だったじゃない。急に変えられたら困るのよね。認識ができなくて。15日の成人式なんていってしまったら、年がバレるじゃない。昭和から平成になっただけでも、とっても計算がしにくいのよ。こうして時代の本流から置いていかれるんだわ。

今日は一人で少し贅沢をしようと思ったの。お昼だったしたまたま一人だったから。ちょっとムシャクシャしていることもあって、期待して和食屋さんでお昼の懐石を頼んだの。めちゃくちゃ高いわけではないけど、おしゃれな店構えにそれなりに期待はしていたの。それなのにでてきたのは、おせちの残りかと思われるものばかり。確かに「新春のお昼の懐石」だったわよ。つきだしは煮豆と栗きんとん、茶碗蒸のなかにはあずき。寄せ豆腐のなかにはお餅。どうしても家にあったおせちの賞味期限を思い出してしまった。そのうえに、あまりおいしくない。どうりで人が入っていないわけだ。つきだしが出た時点で、これからでるお料理に対する不安を払うように、グラスビールまで注文してしまった。せっかく気分を変えようとしたのに、余計なことに神経つかってしまったわ。

1月24日(水)
セガがゲーム機の製造から撤退するんだってね。ドリームキャストは持っていなかったんだけど、なんかショック。時間があればうつうつとテレビゲームするのが好きなのに、ゲームが楽しいことの主流からはずれたみたいじゃない。ゲームは楽しいよ。途中で電話なんかかかってくると、どれだけそのゲームに没頭していたかがよくわかる。器用じゃないけど時間さえかければ、着実に進むしね。やっぱり鬼武者は買わないといけないかしら。ほんものの金城武さまがモデルだもんね。金城君もゲーム大好きなんて話を聞くと、とってもとってもうれしいわけよ。伊集院光とかがゲーム大好きなんていうのとは、天と地ほどの違い。これって人種差別なのかしら。
1月29日(月)

すごい雪でしたね。友達と会う約束をしていたので土曜日は出かけたんです。キャンセルするとまたいつ会えるかわからないので、約束通りに。話はできたけど活動はできなかったな。ご飯を食べにお店に入っても、人が少ないからお店の人が親切だった。

そんな大雪の話を会社でしていたら、誰かが、ある部長が家の前の雪かきをしていて滑って腰を強く打ったと言うの。しかもまだ痛いんだって。それを聞いた途端、口から出たのは「ざまあみろ」。人間とはなんて正直で恐ろしいものなんでしょうか。その部長の仕事の進め方とか、調子がいい時は自分のお手柄で調子が悪くなると人のせいにするところが嫌いなのよ。それが今回、年末から運の悪いことに、都合の悪いことはみんな私に押し付けられているような状況なの。ずっとそれが原因で気が重いのよ。周りも状況とかわかっているんだけど、長い間そんなことが続くと因果関係より空気がものをいうのよね。はっきりと指摘されるならまだしも、そうでないところが納得がいかないところ。まだ作業は続くから、なんとかきちんと終わらせようとしているけどさ、日々すごくストレスを感じているわけ。やけになってゲームはするし、なかなか眠れないの。寝たいのに眠れないから、最近読み終わった本がやけに多いの。作業が終わる日を息を潜めて待ち望んでいるし、迂闊な発言もしないように用心もしてきたというのに…。「ざまあみろ」でうろたえてしまった。一瞬にして凍りついた空気をどうにかしようと思ったけど、そんなのどうにもなるわけないよね。今度は明るく「ざまあみろですね」というのが、精一杯でした。うちの部長も困っていました。私の方が、よっぽどまずいのに。同席していたY君には、夜まで「ざまあみろですね」を何かにつけて連発されてしまった。しばらく「ざまあみろですね」から逃れられないんだろうな。悲しすぎるかもしれない。


(2月へ続く)