●2001.3月● はっきりしようね。
3月9日(金)

そろそろはっきりしようじゃない。やめるのか、やめないのか。国民をバカにしているのか、国民にバカにされているのか。私がどういうつもりでも、私の認識と私への評価は違うものだと思うのよね。別に森さんだけの話じゃない。そういう如何ともしがたい状況ってあるのよ。いまの私が、まさにそれ。仕事をしていると、旧日本男児意識の男にでくわしてしまう。人前では、それでもその人なりに最大の努力をしているらしいんだけれど、それも初めのうちだけなのよね。ちょっと時間が経って、こちらが自分の立場や自分の考えや状況だけを押し付けないとわかると、いけない。初めの緊張感や遠慮がなくなって、態度や目つきに、“男だから、オレさまだから”というのがでてくる。とくに電話がいけない。すぐにナメた口をきく。一度や二度ならムカついていても我慢するけど、そういうヤツにはこちらの我慢がわからないらしい。“あんた、それどういうつもりで言っているかわかっているんだろうね”的な反撃に、必ず態度を変える。ああ、ほんとうに腹が立つ。

昔はお得意さんにそういうタイプの人がいたようだけど、いまは違うのよね。お得意さんも宣伝部や広報ともなると、そんな時代錯誤した接し方をあからさまにする人は、まずいない。社内の女性がしっかりしているというのもあるだろうし、そういう部署にいると女性すなわち男のサポートだったり、腰掛とは思っていないのよね。それは当然よ、女性の意見やニーズの大切さを一番わかっているんでしょうから。だから怒りの対象は、お得意さんではないの。社外のスタッフだったり、社内の人間だったりするわけ。悲惨よ。だって物事の主旨に反しているならきちんと話も通せるけど、こういった感情を逆撫でされたというような明らかにできない問題というのは厄介よ。腹も立つし納得もいかないし、不愉快よ。でもこんな気持ちをいくら主張しても、うまくいかないと思うの。本質からはずれていると言われるだろうし、それこそだから女は…といわれそうだもの。

だいたいね、女だと思ってナメた口をきいたりナメた態度をするヤツは、たいしたことないの。そんなことはわかっていても、迷惑だしストレスが溜まるわ。いままでも何度となくブチ当たってきた問題だけど、今回はM子も一緒だったので二人で怒りまくっています。問題を共感できるのはいいんだけど、M子の怒りも相当なものでそれをなだめて仕事を進めるのも、実は大変。 きっときっと私たちの怒りの対象になっているロクでもない男も、森さんと同じように「俺が何をした」とか言うんだろうな。参った。

3月15日(木)

昨日は、何人もの人から同じような話をされてしまった。ホワイトデーなのに、お返しがないという話。そういう人っているよね、確かに。鈍感か、せこいかのどちらかでしょう。チョコもらったのを忘れているわけじゃないんだもん。嫌だ嫌だ。私なんかも新人の頃から皆様にご協力をしてきましたが、お返ししない男ってフルネームで覚えているもんね。なかにはお偉いさんで、ことさら喜んでくれてこちらが恐縮してしまうほどの人もいる。そんなお偉いさんが、奥さんが選んだものを渡してくれたりすると、一生あなたについていきますと思うほど感激しました。お返しがなくてもこちらが気にならない人と、お返しがないときちんと返せよと言いたくなる人はいるんだよね。結局は、好き嫌いと許せる許せないでしょうね。

だいたい女性が先に渡さなければならないのが、めんどうだよね。私とM子が嫌がっている勘違い男たちも、チョコなんてもらったらもっともっと勘違いして生きていくんだよ。会社や仕事関係でもらうチョコに、命がけの本命なんて滅多にあるはずないじゃない。義理や人情でもらったものは、それなりのお返しはしたほうがいいとは思うよ。でもさ、あげた方もあげてしまったんだから、お返しがないと口にするのもどうかとは思うな。

3月21日(水)
19日に休んで連休にしている幸せな人も、世間にはいるんですよね。連休にできなかったからでは、ありません。金曜日も月曜日もかなり遅くまで残業だったからでは、ありません。もう私は、ダメです。動けないほど疲れています。あまり疲れすぎたために、いつもなら何度も止めている目覚ましが鳴らないうちから、目が覚めてしまった。どうにか起きて会社にもいって外出もしたけど、6時を過ぎたらもうダメ。体が突然、動かなくなる。FAXしようにも、そこまで歩くのも難儀なの。足がピタッと止まったままで、初めの一歩が踏み出せない。メモしようにも、ペンをもつのも億劫なの。そこまで疲れているのに、隠し持っているチョコや飴を口にいれると、どうにか体も少しずつ動き出す。

どうしてこんなにお疲れなのかといえば、引越しがあったから。それも会社の異動に伴う引越しでもなく、自分の家の引越しでもないの。妹の家の引越しなんだから。転居先もそれほど遠いわけではないんだけど、それでも引っ越しは引っ越しだったの。引き出しや棚に入っているものは、全部梱包しなくてはいけない。子供が小さいから、おまかせパックにすると聞いていたんだけど、おまかせパックでもなんでもかんでもおまかせとはいかないのよ。指示もしなくてはいけないし、自分たちで梱包するものもでてくる。

おまかせパックだからと安心していたのか余裕だったのかは知らないけど、もう17日、18日は大騒ぎ。とにかく詰める。詰めると今度は、必要なものがでてきて探す。これの繰り返し。どうにか荷物を詰め込んだら、掃除もしていかなくてはいけない。ちょっとお手伝いのつもりが、もうダンボールはつくるわ、荷物は運ぶわ、お茶だしはするわ、掃除はするわで、死にそうになりました。開梱もあったしね。私もお手伝いの母もボロボロ。父は「なにかすることないか?」で、うるさいだけ。妹のダンナはどうしても仕事が片付かなくて…。

この引越しが転勤だとかならまだしも、もうひと部屋欲しかったからなのよ。人の家だから気は遣うし、肉体労働でとても大変でした。そんな引越し騒動だったのに、母だけは新たなやる気をみせています。家をリフォームしようかなんて申しております。私はどんなに古くなってもいいから、もう二度とこんな大変なことはご免です。

3月27日(火)

今日はちょっぴりいいことをしたんだ。不景気だといっても、雑誌は創刊されている。三冊の創刊号と他の雑誌をもってレジに並んでいたら、お客さんと店員のやりとりが聞こえたの。お客さんはアジアの人で、日本語を勉強中。簡単な日本語で書かれた工作とかおもちゃの本を探しているのに、お店の人は語学の本の売り場を教えたり、おもちゃは扱っていないなんて言っているの。二人の話があまりにも平行線だったので、恥ずかしかったけど口をはさんでみました。お客さんが「それです」といったので、話は解決したんだけど、周りの人が一様に安堵していたのがおかしかった。なんだやっぱりみんな聞こえていたんだ。

最近にしてはめずらしく気分がよかったので、帰りに私の金城君がいるかもしれない店にいきました。金城君には会えなかったけど、ひさびさにやったパチンコで連チャン。なんと1時間半ほどで、6連チャンもしてしまった。お店の人も「すごいね、ずっとでっぱなしだね」って。周りのオジさんやアンちゃんは、おもしろくなさそうだったけど私は楽しかったな。時々しかいけないけど、これでも気になって金城君を探しているの。でもあれから一度も会えないの。そろそろ、あきらめるのかどうするのか、はっきりした方がいいのかな。


(4月へ続く)