●2001.7月● 暑すぎる夏なのね。
7月5日(木)

今まであった物は、これからもずっとあり続けるものだと思い込んでいるのね。たとえば仕事。たとえば恋人。机の上にあったはずの資料や書類にいたるまで、目の前にあった物はあるはずなのよね。自分で整理しない限りは。でも現実は、それぞれに経営者がいたり、状況が変わってしまったりすることもある。なかには所有していると思い込んでいただけだと、ビシッと知らされることもあるわけね。

『フォーカス』が休刊される、『an・an』の仕様が変わった。なくなったり様変わりしたりするとなると、やけに残念に思ったり懐かしくなったりするのは、なぜ? 未練がましい性格なのかしら? それはオープンにも同じことが言えているみたい。あのエルメスが派手にオープンされると、長いこと工事をしていた数寄屋橋のあの場所に前は何があったんだっけ?と、またまた気になる。会社の女性が休みを取ってどれだけ並んでフール・トゥを買ったか、なんていう話を伝え聞くと今のエルメスの11階建てのビルより気になる。これは、まだエルメスに行っていない負け惜しみなのかもしれないけどさ。いいんだもん。

7月10日(火)

あまりの暑さのせいでしょうか? 変なことが多いですよね。陽に焼けたおばあさんを見た。それも一人や二人じゃない。別におばあさんが日焼けをしてはいけない、なんてまったく思っているわけじゃないんだけど、あまりにもいい色に焼けている人を続けて見かけたんだもん。いつもは物静かだと思っていた人が、やけに威勢がいい。ペットボトル回収日に、あんまりゴミが出てていない。なによりも驚いたのが、田島寧子でしょう。いきなり女優宣言なんですよね。どうしちゃったんですかねぇ。本人の夢と言われればそれまでのことなんだけれど、あんまり驚かさないでほしいものです。

ただでさえもこの暑さで、もうバテバテ。家に帰っても暑さのあまり、なかなか寝付けない。やっと寝ても、暑かったり喉が渇いたりして、すぐに目が覚めてしまう。ひどいときは、一時間おきに起きている。一度起きると、すぐには眠れないから苦労するでしょ。そうこうするしているうちに、どんどん時間が経っていく。一番眠りやすい明け方に、こうなると本当に恐怖。寝坊したらどうしよう、と思うとますます眠れないんだもの。営業は辛いよ。熟睡がしたいよ。それから、会社でシャワーを浴びたいし、着替えたい。やっぱり無理よね。どうか、もう少し暑さがやわらぎますように! お願い。

7月24日(火)
相変わらず、暑い。歩いているだけで目眩がしそうです。それでも政治家のみなさんはパワフルですね。私よりも年上だというのに、声をからして駆けずりまわっている。図らずも、私も駆けずりまわっています。というのは、ほかの代理店から強力なプッシュをかけられてしまっているから。ここで仕事を持っていかれてしまっては、部の存続も危ぶまれる。もう毎日が、真剣。どうしてとか、約束と違うとか、まさか!とか、言っていても仕方がない。今やれることは、なんでもやる。選挙運動をしている政治家のみなさんと同じです。

そんななかでも新製品の企画は進んでいるわけです。周りの状況が変わってくれば、それなりに企画を進める状況も変わるというものですが、それがなかなか面倒なの。M子の熱い想いが、そうさせたくないって言えばいいのでしょうか。Hさんに嫌われたくないというのは、私もよくわかっているんだけど、それでは仕事にならないわけでしょ。もうあっちこっちで大変です。目を離すととんでもないことになりそうなんだもの。M子に一歩二歩、リードされているんだろうな。私だって、Hさんに嫌われたいわけじゃないのに、ずるいぞ。なんでも否定する、要求をどんどん高くする女だとHさんに思われていそう。

7月30日(月)

なんとなく扇党首の当確が出るまで、TVを見てしまった。どうしていつもいつも、選挙があるたびに見続けてしまうんだろう。どうして夏ばかり選挙があるんだろう。ここ数日、ずいぶん暑さもやわらいで過ごしやすくなったとはいえ、まだまだ体力は温存したい月曜日だというのに。土曜日の銀座では、橋本聖子の応援に来ていた山本譲二が歌っていた。選挙カーが何台も出ていたけれど、たいした混乱もしていなかったみたい。あの場所取りは早いもの順なんでしょうか? それとも事前に許可をもらっているのかしら、と選挙活動を見ていると気になることが幾つかあるんだ。選挙カーに乗っているウグイス嬢は、調子がいい。たまたま目があっただけでも「ご声援ありがとうございます!」なんだよ。声援なんか送っていないのに、ずるいよ。

先週の朝は、駅前で悲惨な目にあった。マイクをもった女性候補がアピールしながら、どうやら握手をしたかったらしいのよね。信号を待ちながら見ていたら、またもや目が合ってしまったの。今度はこっちも確かに眺めていたから、バッチリと目が合ったの。そしたらその人、微笑みながら手を振るのよ。それには無視をしたんだけど、その時、信号が変わったの。するとその人、走り出すの。それは、私が立っている方向。思わず振り返ったけど、後ろはサラリーマンと女子高生の3人組。まずい。瞬間的に、そう思いましたよ。だって彼女は一人ではなく、彼女の支援者10人ぐらいを引き連れるような感じで走り出すんだもん。政策らしきものも、女性のための女性の政治というものらしいんだよ。“誰でもいい、女なら。どうしても私は今、握手がしたいの”そんな感じなの。いきなり進路を変えて、伏せ目がちになってしまった。

だってさ、仕方がないよね。強引に握手を求められたとしても、その人と握手したくなかったんだもの。態度で拒否して済んだかもしれないけれど、かたくなに握手を拒否すればその理由を言わなければいけないような気がして。だって「私はあなたを応援できないから」なんて言うのも嫌だし、向こうも言われたくないでしょう。そうしたら後ろで「エー」という声がした。要するにその候補者、私のいたラインの後ろを歩いていた女子高生の手を、無理矢理に握っていた。助かったと思ったけれど、気分のいいものではなかったな。とにかく当選した人たちには、最善を尽くしてもらいたいだけです。


(8月へ続く)