●2002.7月● 一目でいいから。
 
7月3日(水)

今日はひどい目に遭った。どしゃぶりのなか雨と風に戦いを挑んでしまった。倒されることはなかったけれど、全身ずぶぬれになりながら守ったものは約束と書類です。体張って働いているな、と遅ればせながら実感してしまった。とはいっても、すんなりと今日の予定を遂行する気になれなかったのが本当のところ。予定を変更してもらえないだろうから、急病になったなど、懇願から言い訳まで七つや八つのバリエーションがあったのだ。究極は、私事都合により退社まで思いついたけれど、こんなご時世に転職も甘くないだろうし、もし転職できても台風や大雪の日はあるだろうと思って、あきらめた。それから服がシワシワなのも、涙を呑んであきらめた。打ち合わせが終わって外に出たら、やっぱり天気は回復していた。あと3時間遅かったらこんな目に遭わなかったのにと、あきらめていたはずだけど、儀式として思いつく限りの人に心のなかで悪態をついておいた。こうして本人の意志とは別にあきらめさせられるのよね。

なにが言いたいのかと聞かれれば、ただ一つ。愛しい金城君のお姿を、笑顔をあきらめなくてはいけないのよ。そんなこと考えたくもないけれど、TV局の事情やもろもろで、もうすぐ金城君とお別れしなくてはいけないのよ。残酷すぎる、悲しすぎるわ。まだ終わっていないのにブルーになっちゃうよ。せっかく土曜日を心の支えとして生きてきたのに、どうしてくれるの! 録画はしたけれど、ビデオが出たら買うもんね。暗記するくらい彼の台詞でも覚えようっと。今はもう終わりかけているものとは別に、金城武主演の「リターナー」を心待ちにするしかない。この映画の舞台挨拶が8/1にあるらしいの。試写会のチケットが欲しくて、いろんな人に聞きまくっているところ。誰か私にチケットをください。武君が見たいよ。たとえチケットがなくても、日劇の前で待っててみようかな。

 
 
7月9日(火)

ほんとうに久しぶりに同期会があったのだ。同期といっても、入社してからかなり時間も経っているので、逆に新鮮だったな。今回はすでに退社している人たちも参加したので、会社一色ではなくて楽しかった。概して女性は入社当時とさほど変わりのない人が多かったように思えるのは、勝手な言い草かしら。だって男性陣のなかには、とても同じ年とは思えないし思いたくない人までいたんですもの。昔を知っているからまだ話す気になるけれど、これが初対面ならただの疲れきったおっさんです。

同じ会社にいてもふだん顔を合わせることのない人や、顔しか知らない人、名前だけしか知らない人までいました。恐るべし日常業務。入社当時、同期会や合コンに興味があまりなかったせいでしょうか。女性の中でもあまり話したことのない人と話ができて、今さらながらのキャラクター再確認をしてしまいました。みんな昔より協調性が出てきたような気がするけれど、これは単なる年を重ねて人間が丸くなったのとは少し違うのかもしれない。もっと単純に、おつきあいをしていない人の生活を知りたい気持ちが、特に女性の中にはあったのかもしれない。恐るべしおばさん体質。そうは言っても、べったりしたおつきあいよりも、こうしてある機会をもって集まるのもいいもんです。また忘れた頃に同期会があればいいな。記憶力のテストにもなるしね。

 
 
7月18日(木)

暑い一日の締めくくりは、ビールですよね。なんとか今日も今日中のものだけを片付けて、あとは気になることを心にとどめてビールを飲むわけです。体重とか人目とか気にしないで、なるべく難しくない話題を選んで。近くの会社に勤めている友人を1時間待たせてしまったので、安室ちゃんの離婚の話なんかがいいと思って話を振ってみたが盛り上がらなかった。彼女は怒っているわけでも、芸能ゴシップに興味がないわけでもないのよ。でも結婚のときは号外が出たし、それにくらべて今回は世間も冷静だということなのね。話をしようにも離婚の理由もわからないんじゃ話にならないよね。とにかくまだ24才ということだけでも羨ましいよ。明日のワイドショーはしっかりチックしようということで、友人とは合意しました。

 
 
7月30日(火)

明日に向けて少し前から準備していたことがあったんだけど、なんとか目処も立った頃から気になる人がいるの。気になるイコール好きではないのよ。その人はクライアントの人で、こないだしつこく食事に誘ってきた人とは違う別の人なの。まだ若くて、素直で明るいのが取柄の人に思えたの。立場や少しは年齢も違うけれど、私も慣れていないこともあるのでなんとなく親近感があったわけよ。たまたまその人に話をしたことを気に入ってくれて、上司にも話を通してくれることになったわけ。まあ、すんなり話を通したかといえば、少しは彼の言うことも考えたし、彼の立場や時間的な問題なんかもあって、話がまとまればいいけれど今回は難しくても仕方がないかも、という読みもあったわけよ。

結局はうまく話がまとまったんだけれど、おかしいのが彼の態度なの。それまでは若くて素直で明るい人だったのが、話が進み出してまとまりそうな気配が見えてきてから、態度が明らかに変わってきたの。言葉づかいとか、立ち振る舞いが、変化してきた。偉そうというのではないんだけれど、どっしりしてきたのよね。初めは電話で話していたときに、言葉づかいと間の取り方が違うなと感じたの。でも電話だけだから、話しにくいのかと思っていただけ。ところが顔をあわせても、こないだまでの彼と違っているの。あまりの変化に話の途中で、何度か吹き出しそうになってしまった。後で一緒に行った人に聞いてみたけれど、やっぱり変わったと言っていました。自分が責任をもって話をまとめたという自信が、彼を変えたみたいね。この話を彼に持っていった私としては、彼をたくましくして差し上げた気分を味わっているのだ。

 

(8月へ続く)