●2003.9月● 予定通りにはならないのね。
 
9月9日(火)

今日はうちの両親の結婚記念日だと、ずっと思っていた。このところ少しでも多く、楽しいことをしたがっている二人にちょっと食傷気味。でも、このところのバタバタで、みんな疲れ切っているので祝い事も気分転換になっていいかもしれないと、思っていました。今朝のニュースを見るまではね。だってだって、9月9日は北朝鮮の建国記念日なんですってね。知らなかった。重陽の日で、あんまり知られていないけれど9月の節句で、菊の節句だということしか知らなかったんだもん。それは当の本人たちも同じようで、とっても複雑な顔をしてたよ。記念に写真でも撮っておきたかったほどなの。ちゃかしたいんだけれど、とっても嫌な顔をしている母親をみて、余計な争い事は避けようと大人の判断をしましたよ。

それはね、せっかく用意したプレゼントが色あせるから。休日に散々歩き回ってやっと納得した、ロイヤル・コペンハーゲンのお茶碗よ。和風テイストの新作で、すごくいいのよ。あんなお茶碗にご飯をよそるのは、ちょっともったいないかもしれないけど、柄違いでペアーにしました。それと一緒に湯飲みまでつけてしまった。太っ腹でしょう。正直言って自分が欲しかったわ。それも結婚祝いがいいわね。それを親に贈るなんて、なんていい娘なんだろう。自分が欲しいということは、これから二人が私の目の前で使うという現実に耐えなくてはいけないということだったのね。そこまでは買い物をしているときには気がつかなかったけれど、許す。先月からずっと引きずっている、難題から少し逃れたかったんだもん。自分の物を買う気にはなれないけれど、プレゼントを探すというのはいい具合に現実逃避できるものね。

 
 
9月16日(月)

今日のプレゼンに備えて、昨日は休日出勤をして最後の仕上げをしたわけ。先週からずっとかかりきりでした。それなのに、今日プレゼンの前に一式届けてほしいというので持っていきましたよ。そしたら担当者から、今まで聞いたこともないような要求が急に出され、コンテを至急直してほしいという。そんなオリエンになかったことを急に言われても、困るのよね。だいたいプレゼン前に届けさせることにも疑問があるわけ。そんなことする意味があるのかしら。自分だけ内容を把握しておきたいんだろうけれど、決定権があるわけではないし、こちらにとっては時間のロスなのよね。それでなくても初めからタイトなスケジュールで、しかも正確なオリエンではなかったというのに。言いたいことは、初めからきちんと言ってくれないと中身が違ってきてしまうのよ。オリエンに沿って考えていると、いくら説明してもわかっていない人なの。どうしたもんだろう。

まったく人の話ほど、聞くのが難しいものはないよね。それが合意のもとなのか、個人の意見なのか、単なる思いつきなのか、はっきりしない。用心しながら聞いていても、大事なところを確認しても、わかりづらいものです。明確でないということは、こちらの作業量が増えるということなので、もう必死です。それなのに、今回は直前の手直しでみんなに迷惑をかけてしまい、辛いな。

それからもう一つあるの。同期が保険に入ろうかなって、考えているんだって。年金も減るだろうし、もしものことが心配なんだって。保険&もしもなんて、言葉だけでも滅入ってしまうこの頃です。

 
 
9月26日(金)

今日は有給を取って、いとこの四十九日の法要に出ました。あの日以来、いとこのことを考えない日はなかったな。残された子供のこともだんなさんのことも、考え出すときりがないほど考えてこんでしまった日々でした。私にまで「母親の役割はできないのか」というような意見もあったし、うちの妹に「一人育てるのも、二人育てるのも変わらないじゃないか」という強硬な考え方まででてきた。そんな混乱の日々が、続いていました。こんな状態を、五里霧中っていうのよね。どうにか暫定的には落ち着いたのですが、それもいつまでもつかわからない。これからのことを考えると、難しいことがいろいろあるような気がする。私にできる数少ないことを、ちゃんと考えておこうと思っているところです。今日、辞任したジャイアンツの原監督も、いろいろ大変だったんだろうななんて、少しばかり親近感を持ってしまったのだ。

 
 
9月29日(月)

つくつく法師が鳴いていた。仲間はいるのかとチラッと心配だけど、まだせみがいるんだわ。あったかい日だもんね。この9月は、夏でしたね。やっと夏が来たけれど、なんにも夏らしいことしなかったな。ウキウキするようなことも、なかった。けっこう暗い顔して、過ごしていたことを反省して占いに行きました。占い好きでこれまでいろんな先生にみてもらってきたので、そのなかで一番良いことを言ってくれそうな先生のところに行きました。

でもさ、期待は裏切られたのだ。寝込みそうなショックです。もちろん、当然なんだけどね。わかっていたけど、そんなこと占ってもらわなければよかった。武くんとの相性なんて聞くだけ野暮だった。もしかして、ひょっとするんではないかと淡い期待を抱いたのが馬鹿でした。夢が音をたてて粉々に、なっちゃったよ。悲しいよ。でも、武さまは、しばらく結婚なんてしないようだから、それだけが救いかな。いや、もう一つあったわ。武くんがどんな人なのか、ということがわかったのです。それを聞いて、ますますファンになってしまった。武くんの心のうちを知ったようで、とってもうれしいわ。武くんをもっとよく理解できたような気がするの。これだけでも占いに行った甲斐はあったかもしれない。

 

(次号をお楽しみに)