●2004.5月● どうにかセーフです。
 
5月10日(月)

にわかファンとして、海老様を見にいきましたの。こうしてちょっと気取ってみても、三行ともたないの。知っていますわ。だってすぐに本心がでてしまうんですもの。お着物をお召しになって、お友だち同士で連れ立って昼間から歌舞伎を見に行く身分では、所詮ございませんから。だからさ、とっても旬な市川海老蔵を見に行くのを、すごくすごく楽しみにしていたの。それなのにどうして海老蔵パパは、急遽入院なんてするのよ。小泉さんだって、交際を噂されている米倉だって、百五十年ぶりの父子競演というのを見たじゃない。私だって見たいのよ。見るつもりだったんだから。

だからさ、連休に休んだ周りの人間に対抗して、このチケットを取ったんだから。取れたときの喜びといったら、なかったわ。チケットを取ってからだって涙ぐましい、にわかじこみの歌舞伎のお勉強にも余念がなかったのよ。市川海老蔵襲名披露に関するものは、チェックしまくったわ。父子で出演しているトーク番組や、海老蔵がゲストででるものはビデオに撮って、夜遅くにニコニコ見ていた日々よ。これもあれも、みんな今日という日への期待感からだったのに。歌舞伎座では何度もお断りアナウンスしていたけど、団十郎が出演していないというだけで、すごく残念。いたずら息子でもあり大役者としての誉れが高い息子、海老蔵を持つ父団十郎にも惹かれるものがあったのに。歌舞伎というものをあまり見る機会もないので、昨日までに観賞できた人がうらやましいよ。

内容的には、意外とストーリーも把握しやすかったし、「暫」のにらみもバッチリ見られたので楽しかったです。またそのうちに、今度はぜひ夜の部というものに挑戦したいです。有意義な休日だったと浮かれて帰宅したら、皇太子発言というすごいものがあった日だったのね。キャリアや人格の否定などという、それこそいじめがあったという告発ですよね。そんな発言がなくても、いじめはあるだろうとは想像していたから、こんなにはっきり口にして大丈夫なんだろうかと思ってしまう。体調もよくならないようだし、よっぽどのことが、あったんでしょうね。それにしても、皇太子ってほんとうに雅子さんを大事にしてるのね。これ以上は、全力でお守りできないということなんだから、この発言を大事にしてあげなくちゃいけないよ。

 
 
5月14日(金)

朝から、慌しい日だったんです。続けて寄らなければならない所も、しなければならない電話もあったの。そして、その後に、今度はしばらく携帯を切って置く必要もあったわけ。その用件も済んだところで、ハタと気づいた。なにかがおかしいって。ヤバイと思って、すかさず携帯を探しましたよ。でも、どこにもないの。バッグの中も上着のポケットにも、封筒のなかにも。どこにも、ないの。しかも、ないことを知っていたようなそんな感じなの。「ああ、やっぱりね。そんな気がしていた」という、全てを超越したような達観したようななんともいえない感覚。そんな感覚ははじめてよ。もう少し集中すれば、携帯がどこにあるか見えるような気もした。そんななんとも不思議な感覚のもと、自分の携帯に電話をかけてみました。すると、男がでた。三回目のコールで取ったその人に、携帯を取りにくるように言われ駆けつけました。すごい期待をして、もちろんドラマのような展開になることを想定していったのに、待っていたのはごくありふれた現実だけでした。不思議な感覚に、期待しすぎちゃったみたい。携帯が届けられていたのは、地下鉄の駅のある事務所で、対応してくれた事務員は若かったけど、ただそれだけ。「もう少し早く来れなかったの?」という、心の声を聞いたような気がしただけ。きっと残業をさせてしまったんだよ。ごめんね。それから届けてくれた人、ありがとう! 本当に助かりました。

 
 
5月19日(水)

カンヌといえば武くんで、武くんといえば映画で、8月末が待ち遠しいの。最近はアジアのスターといえばヨンさまという人もいるけど、私は武くんよ。もう、それしかないんだから。「LOVERS」を見まくって、金城武を頭のなかに焼きつけるわ。そう、海にいかない代わりにね。映画の撮影後だからか、一段とシャープになった武くんに早く会いたいよ。今日から8月28日まで、指折り数えて待ってしまいそうです。もうひとつの「Turn Left,Turn Right」も公開されるので、これも楽しみ。武くんが忙しいと、私はうれしいんだ。だからこれからも映画にでまくってほしいです。

 
 
5月27日(木)

いつの間にか、友人は怒っていた。久しぶりに連絡をくれたのに、機嫌が悪いなんて失礼じゃないかと思ったが、彼女に言わせればすべてはいい加減な友人をもってしまったせいだそうだ。その理由というのが、なんとも平和なわけよ。近いうちに会おうといったこと、旅行にも行きたいよね、と言ったことなんかがいけなかったらしい。近いうちが、もう半年は経っているそうだ。確かに最近会った覚えはなかったけれど、まさかスケジュール帳をチェックされているとは思わなかったから驚きでした。そのうえ、こんなに頻繁に会っていないのにいつ、どこに旅行にいくのと問われちょっと答えられなかった。悪気はなかったけど、外の友人とはなかなか会えないことってあるよね。なんとなく機会を逃してしまったり、思うように時間がつくれないこともあるでしょう。それに具体的な約束というより、希望的観測だったのになぁ。きっとやきもきしていたんだと思うけど、お互いの状況がわかりづらいというのも正直、面倒ではありますよね。友人が大切というのはよくわかっているんだけど、言い訳をすれば先々の予定というのは立てにくいのよね。わかってとは言えないことも、またストレスだな。そういえば前にお高い買い物をさせられてしまった、疑うことを知らない友人は今、どうしているんだろう?

 

(6月へ続く)