●1997.7月● イタリアから帰ってきたら
7月8日(水)

イタリアに行って、うっとうしい梅雨から逃れていたはずなの に日本では真夏日が続いていたんですってね。そしてなによりも 帰国したら、バーゲンが始まっていました。イタリアでは雨に降 られ、おまけに帰る頃になってやっとバーゲンが始まろうとして いたというのに。イタリア?もちろん楽しかったわ。3日くらい 雨に降られたけど、その後の天気は良かったし、11日間も休む と、きのうも今日も明日もまだまだお休みだという気分になった わ。さすがに会社では居心地が悪いし、このあとしばらくは休め ないけれど、それでも人間ドーンと休息を取るべきね。毎年、ド ーンと休める人たちもいるんだから。今回、同じツアーに参加し ている人のなかには、とうぜんというべきか、やっぱりというべ きか何人もOLがいてビックリ。私なんか死ぬ気で取ったはじめ ての長い夏休みだというのに。まあ、時間もないお金もない勇気 もないオジさんには無理な話でしょうが…。

 イタリアでは美術館に行って絵画を見た。ゴンドラにも乗った しグッチも安い。いいですよ、イタリアは。パンがまずかろうが イタリア男がみんな長身でなかろうが、シェスタがあろうが、日 曜日に休業する店が多かろうが、ストッキングは高いくせに粗悪 だろうが、もう一度行ってみたい所でした。今回の心残りは、ミ ラノ・ヴェネチア・フィレンツェ・ローマを周って結構忙しいツ アーだったので、じっくり買い物ができなかったこと。買えたの は、グッチの秋冬バッグ、フェラガモの靴、それにスカーフ、ネ ックレス、スーツ2着、ワンピース2着だけなんだもん。欲しかっ た大物がゲットできなかったのよ!

7月16日(木)

梅雨なのに、雨が降らなくていいのかと思っていたら、今度は 雨続き。ただでさえ跳ねがあがって機嫌が悪いのに、電車の中や 街には無神経な人が多くて怒りバクハツ。混んでいる電車の中や デパートで、人に傘をぶつけないようにするのなんて当たり前で しょ。まして斜めに持つなんて言語道断。傘にさされてストッキ ングが破れるじゃない。なのにそれだけじゃなくて、階段を上が
るときに水平に傘を持つバカ野郎がいる。私を直撃しそうなその 傘を、おもわず叩き落としてやったわ。ハハハ。もぐら叩きなら ぬ傘叩きの“しの”雨の日参上ってとこかしら。

7月22日(火)
私、オバさんになります。高校生じゃないんだから、もうとっ くにオバさんなんだけど、来年の2月には本当のオバさんになるん です。妹のせいで… しかもこの話、母親から聞かされたんだも んね。これで、こないだの父の日にあの子がプレゼントした謎、 今からご機嫌をとっておこうとしていたのはわかったんだけど、 参っちゃった。結婚するって聞かされたときよりも、もっと複雑 な心境。けっこう仲のよかった姉妹でも結婚すると変わるし、お 互いなかなか本音では話せなくなるのね。せっかくリフレッシュ してきたのに、またどこか遠くに行きたくなってしまったわ。姉 としては考えなくはなかった事態だけれど、本人の口から聞かさ れたときの反応が、難しと思うのよね。死んでも、ひがんでいる とは思われたくない。これは、お祝いをはずむしかないか。
7月28日 (月)

楽しみにしていた花火が、台風の影響でお流れになって、土曜 日はガッカリ。今の私に、ヒマは禁物。つまんないこと考えそう で。でも、昨日はバッチリ。真夏の夜の華を楽しみましたよ。そ れにしても、浴衣を着て、髪をアップにして、人込みのなかでは ぐれないようになんていわれてドキドキしながら手をつないだ花 火大会が懐かしい。ここ数年の私は、ビールを飲みながら、遠く に咲く大輪の花を涼しいラウンジで眺める大人のシチュエーショ ンにはまっています。昨日なんて、右手には地元の花火大会、左 手には隅田川の花火大会。まさに両手に花、だもんね。正直にい うと隅田川のは、音しか聞こえないんだけどさ、その代わり20時 30分からのディズニーランドの花火も見ちゃったもんね。もちろ ん、女の子とじゃないわよ。近ごろ、花火を見たり、一緒に遊ぶ 男ともだちに恵まれている私は、けっこうイケてると思うの。


(8月へ続く)