実際に鈴木宗男がDJとして「ムネオハウス」を回しているかは別として…「ムネオハウス」がムーブメントになっていてMP3でみんながダウンロードしていると言われているけど(本当の音楽ファンはこの手のものに騒がない)、別になあ。ハウスの人たちはこの手のシャレが結構好きで、もう忘れちゃったけど今までもこういうの国内で結構色々あったしなあ。ハウスって匿名性の高い音楽で、いくらでもアイロニカルにやれたりもするからね。
私は宗男はやっぱりラップじゃなきゃダメだと思う。アシッドハウスなんて全然弱すぎ。政治家なんだからMCとして! マイクロフォン・マスターとして、マイク回されてフリースタイルで「ムネオ・イン・ダ・ハウス!」<"Muneo in da(=the) house!" ムネオはここにいるゼ! とか自己紹介的意味です。ここにはハウスミュージック的な意味はない>とやらなきゃ。ガンガンにライミングして、フローはちょっと北海道訛りで言葉の暴力をハードコアヒップホップで飛ばしてもらわないと。疑惑の政治的メッセージ! 中川一郎がどうした!? 辻元清美をディスれ! そして乗ってる車は“うえっさい”。ブリンブリンのキャデラックのドゥビルとかシェビーのモンテカルロの古いやつのオープンでハイドロ積んでゆさゆさ揺れまくり(ムルアカが揺らして自家ハイドロをやっているのではない)。そんな車にあの目つきのムネオが乗ってなければ「キープ・イット・リアル」とはいえない。
…とまあいきなり音楽バカっぽい切り口のみで恐縮ですが、もう宗男は国民にとってキャラとしてしか認識できないという域に達しているのではなかろうか。もちろん、彼のやった一連の想像を絶する疑惑の数々は、一納税者としても許しがたいものではある。ムルアカを個人的に前から知っている私はずっと宗男の動向を追ってきたし、これからもマンガにしていく。DJムネオではなくMCムネオとして。
中尊寺ゆつこのヒップホップ小辞典 |
ハウス |
ディスコ・ソウルとヨーロッパのエレクトロ・ダンス・ミュージックを融合させた音楽。 |
ラップ |
リズムにメッセージ(歌詞)を乗せる形の音楽。 |
アシッドハウス |
ハウスミュージックの一種。幻覚を誘うようなサウンドが特徴。 |
MC |
マイクロフォン・コントローラー。要するにラッパ−のこと。 |
ライミング |
韻をふむこと。 |
フロー |
ラップの言葉ののせかた。 |
ハードコアヒップホップ |
ヒップホップの一種。激しい歌詞とサウンドが特徴。 |
ディスる |
ディスリスペクト(蔑む) |
うえっさい |
west sideをウェッサイ〜と発音することから西海岸のギャングスタ・ラップカルチャーをこう呼ぶ。 |
ブリンブリン |
ギラギラの黒人成り金テイスト |
ハイドロ |
油圧で車体を上下させる機能 |
キープ・イット・リアル |
マジだせ!という意味のストリートの言葉 |