●2004.4月● まいっちゃったナ。
 
4月1日(木)

新しい春が、また始まりましたね。すっかり新入社員の初々しさに、心ときめく年代となっていたようです。自分にないものを求めている、ということなんでしょうか。リクルートスーツにも、ピカピカの靴にも、形崩れしていないビジネスバッグやショルダーバッグにも好感がもてます。誰だか知らない新人にも「これから頑張るんだぞ!」と、肩を叩きたくなる感覚。そして「早く仕事を覚えて楽させてくれよな」と、これまた勝手な妄想が広がる。春って、新しい夢をみたくなる、そんな季節じゃない?

何度もめぐってきたこんな季節に一人取り残されたくなくて先日、紺色のスーツなんてものを買ってしまった。でも、誰も新人だとは思ってくれないんだろうな。わかっているって。どう見たって新人には見えるはずがない。転職をしたにしても、何かがそぐわない。何かってなんだろうと考えていたら、帰りたくなってきた。だって入社式のある日にリクルートまがいのスーツをぶつけてくるなんて、大それたことを私はしてしまったのよ。もし、こんな私に少しでも同情してくれるなら、クライアントの新入社員の人にお願いがあります。初々しいいい子で、ずっといてください。初めはすごく可愛い子でも、半年も経つとずいぶんと会社に馴染んでいる。それはいいことなんだけど、みなさん先輩にどんどんと似てくる。三年も経つと、すっかり言うことまで先輩そっくりになっている。代理店の私たちは、昔は可愛かったそんなクライアント社員を、もう何人も見てきているのだ。どうか今年の新人は、いつまでも可愛いままでいてくださいね。

 
 
4月12日(月)

ぼんやりとしていたら、もう4月も中旬に突入していた。毎日、今日を基点に少し先のことにしか関心を払っていなかったので、出遅れてしまったみたいです。しばらく本当にもうずっと、海外にも行っていなかったので久々に海外に行きたい気分になっていたの。ところがまだ、どこにも誰と行くとも考えないうちから、外堀を埋められつつある。プレゼンの日が先方の事情ではっきりしないものがあり、その日が確定してから考えだそうと思っていたのが甘かったのよね。後輩が、先に手を廻していたのよ。ショックよ。おまけに上司も連休の前に休暇を取るんですって。なによ、みんな。指定されたプレゼンの日に、誰もいなかったらどうするのよ! きっと会社に来ると思われていたんだわ。他に行くとこないと、思われていたのかもしれない。それに割高の連休に旅行なんかできないだろう、とも思われていたかも。そんな性格の悪いことを考えられていたとは思わないけど、瞬発力に欠けたわね。悔しい。この雪辱(?)、気持ちよくどこかで晴らしてみせるぞ。

 
 
4月22日(木)

こんなにあったかいなんて、ちょっと信じられない。先週、同期が「もうババシャツの季節は終わったわね」と言っていたのですが、疑り深くてそのうえ冷え性な私は、そんなことまだまだ先の事だと踏んでいたわ。ところが今日の天気は、な〜に。いくらなんでも、やっぱりババシャツにはお休みいただかなくては、と認識を改めたわ。それでもバッグにはホカロンが入っているんだけどね。と、誰もが予想もしていなかった陽気のせいにしたいほどの、大チョンボをやらかしてしまった。いやいやいや、参りました。そんな話、誰が聞いてきたんだと思うほどまったく要領を得ないもので、話をしている本人が自分でもわけがかわらなくなっている状態でした。そんなポカをやってしまい、無駄な時間をかけてしまいました。しっかり集中していたつもりなのに、こんなことで自分でもすごく驚いています。話を聞かされた方は、別の意味でさぞ驚いたんでしょうね。反省です。こんなにヘンな日には、やはりどこかで失敗をしてしまった人っていないんですかね。いたら親近感がもてるだろうな。

 
 
4月29日(木)

なんだか大変なことになってきましたね、年金の保険料問題。福田さんの「おかしいのは、あなたのほうじゃないですか」が、そのまま返ってきてしまうんですね。こうした大騒ぎで、みんなが年金問題に注目しているんでしょうが、そこでおもしろい会話を聞いてしまった。「オレ、保険料払っているかどうか知らないんだ」と、通勤電車のなかでのたまうおじさま。それに応える「オレも」の声。彼らを見ると社章をつけたサラリーマンでした。思わずその社章をもぎとり「どちらの会社ですか?」と、聞きたくなってしまいました。同じように思ったのか、首を伸ばして彼らの顔を見ようとしていた人、しっかり襟元を見つめる人、そして笑いをこらえている人がいました。すぐ横で笑いをこらえていた人と、しっかり目が合ってしまい思いっきりうなずかれてしまいました。きっと以心伝心ですよね。条件反射的にうなずき返してしまったので、朝から爽やかと形容していいのかどうかわからない、笑顔に出会ってしまいました。それから電車を降りるまでの時間の長かったこと。ババシャツの話と同じだとは言わないけど、電車の中での会話って人に聞かれても恥ずかしくないものにしたいと、本気で思っちゃったわけよ。

 

(5月へ続く)