新しい春が、また始まりましたね。すっかり新入社員の初々しさに、心ときめく年代となっていたようです。自分にないものを求めている、ということなんでしょうか。リクルートスーツにも、ピカピカの靴にも、形崩れしていないビジネスバッグやショルダーバッグにも好感がもてます。誰だか知らない新人にも「これから頑張るんだぞ!」と、肩を叩きたくなる感覚。そして「早く仕事を覚えて楽させてくれよな」と、これまた勝手な妄想が広がる。春って、新しい夢をみたくなる、そんな季節じゃない?
何度もめぐってきたこんな季節に一人取り残されたくなくて先日、紺色のスーツなんてものを買ってしまった。でも、誰も新人だとは思ってくれないんだろうな。わかっているって。どう見たって新人には見えるはずがない。転職をしたにしても、何かがそぐわない。何かってなんだろうと考えていたら、帰りたくなってきた。だって入社式のある日にリクルートまがいのスーツをぶつけてくるなんて、大それたことを私はしてしまったのよ。もし、こんな私に少しでも同情してくれるなら、クライアントの新入社員の人にお願いがあります。初々しいいい子で、ずっといてください。初めはすごく可愛い子でも、半年も経つとずいぶんと会社に馴染んでいる。それはいいことなんだけど、みなさん先輩にどんどんと似てくる。三年も経つと、すっかり言うことまで先輩そっくりになっている。代理店の私たちは、昔は可愛かったそんなクライアント社員を、もう何人も見てきているのだ。どうか今年の新人は、いつまでも可愛いままでいてくださいね。
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