●2004.7月● 暑くて、熱い夏。
 
7月9日(金)

曽我さん一家の1年9ヶ月ぶりの再会、をどうしても見逃したくなかった1日となりました。北朝鮮を出国する3人の映像が、何度も繰り返し流されているのに、目にするたびになぜだか緊張したわ。こういう特別の日は、1日中テレビがついているので用がなくてもあっても、テレビに近づく私。お堅い会社じゃなくてよかったと、つくづく思う日なのよね。こういうのって多分、ミーハー体質なんだろうと思うけど、意外にもみんなはチラッと眺める程度なのよね。1年9ヶ月ぶりの再会なのに、気にならないのかしら? 私なんか一応仕事らしきことはしつつも、正直にいうと心ここにあらずだもんね。できれば正面に座って、ずっと見ていたかった。その1日がかりの再会シーンに、涙しそうになっちゃったけど、ここは会社だって思って懸命にこらえました。だってあの控えめな曽我さんの、積極的な抱擁&キスシーンなんだもん。離れ離れの時間と距離と没コミュニケーションを、強く感じますね。でも、その後の曽我さんが、いつもと同じ曽我さんに戻っていたから少し驚き。控えめでひたむきな人だと思っていたけど、アメリカ人のダンナの妻でもあるのですね。それなのに、ホテルでは自分達でできることはするというのが、偉すぎる。すごい苦労してきているのに、ホテルのサービスを受けようとは思わないんだ。こういう人がいるんだと知らされると、自分のダメさを痛感するものね。そういった意味も含めて、テレビにかじりついていたのも、悪くはなかったはずよ。そう、「テレビも見られる携帯にしとけばよかったな」と、いわれても気にしないんだから。

 
 
7月14日(水)

この前は、てんぷら。そして、今日は、韓国料理。なにも、おいしいものを食べたので、それを自慢したいわけではないんです。どちらかというと、同情してほしいかも。だって、ついてないんだもん。てんぷらのときは、カウンターでした。てんぷらが揚がるまで、ビールなんぞ飲みながら待っていました。仕事帰りなので、一緒にいたのは仕事仲間。みんなお腹がすいていたので、ひたすらてんぷらを待っていたときのことです。急に、手の甲に熱さを感じたの。思わず「熱い!」と、口走っていました。まだ何も食べていないのに、テーブルに油染みがあった。そう、てんぷらの油がはねて手を直撃していたの。おしぼりでふいたり、ビールの入ったグラスで冷やしたりしているのに、目の前の板前さんは知らん顔。絶対にさっきの声も聞こえていたし、手を冷やしているのも見えているはず。それなのに、知らん顔。ムッとしたけど、手も油がはねたところが赤い程度なので、黙っていました。でもさ、なんかひと言くらい謝ってもいいと思わない? それが難しいなら、すまなそうに頭ぐらい下げるべきよね。黙っていて、それですまそうなんてずるいわよね。

と、いうことがあったばかりで、二回目は今日だったわけ。またもやメンバーもほぼ同じで、今度は韓国料理なわけ。その店の豚バラが好きなのは事実だけど、どうして脂が飛びまくって私の腕を直撃するの? 容赦ない脂攻めに「熱いよ、どうにかなんないの?」とは、言ってみたもののまたもや玉砕。今度は、いきなり日本語がわからないふりされてしまった。さっきまで喋っていたのは日本語だろうと、ちょいギレしそうになりました。だってさ、脂が飛んでいる鉄板から少しでも離れようとしているのに、ママさんったら鉄板近づけて、傾けるんだもん。腕がむきだしになっていたので、悲しかった。どうして、2回もこんな目に遭うんだろう。私以外の人には、なにも起こらないのに。しかも、2回とも店の人に無視されたんだよ。それでもさ、みんなと同じ割り勘というのが、また悲しいところかもしれない。

 
 
7月20日(火)

とうとう39.5℃という驚異的な数字をたたき出してしまったのね。体温よりも高い、発熱でも立派な高熱よ。それが外気温なんて、信じたくない。熟睡していない毎日のうえに、物忘れが激しくなったのもきっときっと暑さのせいよ。日傘をさして、真っ白に日焼け止めを塗って歩けたら、もう少し記憶力も戻ってくると思うわ。実は久々に会った友人を、ご飯屋にナビしたのになかなかたどり着けずに、大ひんしゅくをかってしまった。夏は、暑いからイライラしやすいのよ、きっと。そのうえ、お茶をしようと目論んでいた店がなくなっていた。さすがに「きっと店も熱くて、蒸発したんだよ」とは、いえなかった。暑さで、友人までなくしそうになってしまったわ。

 
 
7月29日(木)

今朝も、すでに大工さんは働いていた。あと、何ヶ月かかる仕事なのかわからないけど、その期間にこの大工さんと話す機会があるのかないのかと、考えてみるこの頃。でも、その考えも家を出て現場を通り過ぎて、せいぜい駅に着くまでしかもたない。駅の階段を上がることには、もう全然別のことを考えているものね。それでも、もし話をするようなことがあったら、聞いてみようと思っていることがあるんだ。個人的にその大工さんに興味があるというよりは、大工さんという仕事に関心があるんだと思う。毎朝、まだいると確認するだけで、なんとなく安心できる。この地味な楽しみもけっこう乙なもので、それなりにはまっているところかもしれない。

 

(8月へ続く)