私ったら今日、会社で怒鳴り散らしてしまったの。「資料を揃え
ておいてくださいよ」という後輩のひとことに、積もり積もった
怒りがついに爆発してしまって…。自分でもどこからこんな大き
な声が出るんだろうと、驚いてしまったほど。しかもその声に、
迫力があるんだ。もちろんこんな事、入社以来はじめてよ。でも
ね、大きな声で思いっきり言いたいこと言ったら、何かがフッ切
れた。ずっと我慢していた何かが…。
このところ、想像を絶する忙しさだったのよ。よくもこんなにや
る事があるもんだと感心するくらい。25時26時なんてザラ。27
時や28時だってある。おまけに、土日も出っぱなし。肌なんて、
とっくの昔にボロボロになっているわ、服なんてその辺にあるも
のをただ着ているだけの話。明日からの3連休だって、丸々2日は
仕事なんですからね。それなのにあの若造ったら、私が見ないふ
り、聞かないふりしていたのをいい事に、なんでもかんでも私に
押し付けようとするのよ。こないだの土曜日だって、連絡も入れ
ず2時間も遅刻してくるわ、そのくせ食事はゴチだと思っている
ようなヤツなのよ。誰がどう見たって、とっくにこの激務に限界
は超えているのよ。しかも黙って馬鹿タレの面倒だってみてきた
というのに…。
一瞬、あたりが凍り付いてその後は、まるで恐ろしいものを見る
ように私のこと見ているのよ、みんなで。いいの、いいの、期待
していたわけじゃないんだから。でも、こうして何度も思い返し
ていると、すごくみじめな気持ちになってきちゃった。うまく言
い表せない複雑な気分。たぶん、「今月で30才になる」という
のが影響しているのかもしれない。しばらく冷静に考えてみよう。